こころの病気


1.こころの病気の種類

A.自律神経失調症(主な症状)

頭痛 肩こり 頭重感 めまい 吐き気 動悸胸が苦しい 胸がつかえる 圧迫感 息がつまる 口が渇く のどの締めつけ だるい 光がまぶしい 涙がでる 下痢 便秘 頻尿 冷え性 多汗 円形脱毛 イライラ 怒りっぽい その他

B.神経症 (主な症状)

うつ うつ状態 不安感 情緒不安定 失声不安神経症 対人不安 パニック不安 ガス不安 視線恐怖 心臓神経症 過呼吸症候群 PTSD(心的外傷後症候群)強迫神経症(潔癖症・確認癖など) 自己臭症 ヒステリー 過食 拒食 不登校 出社拒否 など他

C.その他の症状

赤面 あがり 緊張 こだわり 無気力 落ち込み 自信喪失 集中力欠如 記憶力低下 吃音 チック 夜尿 など他

これらはほんの一部であり、こころの病気の種類はたくさんありますが、その原因や発症のしくみには共通点がとても多いことがわかります。

2.その共通点とはどんなものでしょうか?

※ たとえば人前に出るとあがってしまう。
「落ち着け、落ち着け、リラックスしろ!」と必死でこころを落ち着かせようと努力するのですが、すればするほどあがってしまいます。

※ パニック症などで、電車に乗ると激しい動悸や呼吸困難になり「大丈夫、大丈夫落ち着いて、起こるはずないわ」と自分に言い聞かせて乗るとやはり起きてしまう。 というようにこころの病気は、他の病気と異なり症状が起こる前に頭では十分わかっていても、なぜか思い通りにならない自分がいるのです。
それはなぜでしょう?
誰でも人には2つのこころが存在しているからです。
1つのこころで「こうなり たい」「こうしたい」と一生懸命思っても、もう1つのこころがそれに抵抗して「~~したい」という自分の足を引っ張るのです。
その2つのこころを有意識(顕在意識)無意識 (潜在意識)といいます。 顕在意識は表面意識ともいいます。

3.顕在意識と潜在意識

無意識(潜在意識)の世界とは、生まれもった意識です。
赤ちゃんのときはお腹が空けば 泣く、おむつが濡れれば泣く、お腹がいっぱいになればすやすや眠る。
赤ちゃんが「ママを困らせてやれ」と泣くわけではありませんね。
これが無意識(潜在意識)の世界なのです。
しかし人は、本能のおもむくままに感情がわき表現する、というような単純なままではいられないことはご承知の通りです。
「食べたいけど、これ以上食べると太る」
「眠いけど、仕事中は眠るわけにはいかない」
「おしっこしたいけど、もう少し我慢しよう」
「泣きたいけど、泣いたら笑われる」
「怒りたいけど、怒ったら嫌われる」 などと、本能のまま表現したり行動するわけにはいかないことを理性的な感情、批判的な感情が芽生えることで認識していくのです。
これが第2のこころ、有意識(顕在意識・表面意識)なのです。
私たちが通常使っている「こころ」という部分です。
この有意識はおとなになっていく生育過程のなかで培われていきます。

4.こころの綱引き

この2つのこころの割合は、生まれつき備わっている無意識(潜在意識)の領域が約9割と言われています。
あとから出来る有意識(顕在意識)は約1割です。
圧倒的な領域を無意識(潜在意識)が占めていて、その表面を覆い隠すように有意識(顕在意識)が取り巻いているのです。
この2つのこころが葛藤(こころの綱引き)をはじめるのです。
そして酷くなると病気にまで発展してしまうのですね。
どちらか1つのこころであれば病気は起こらないのかもしれません。
しかし本能だけでは動物的ですし、理性だけではプログラミングされたロボットのようになってしまうでしょう。
こころの葛藤が起きる人ほど人間らしい人と言えるかもしれません。
これが現代のような社会生活を営む上ではますます大きなストレスを起こす原因となり「こころの病」を引き起こしているのです。
ここまでの説明でこころの病が起こる要素の共通点がご理解いただけたと思います。
あとはケーススタディを参考に抱えている悩みを解明してみてくださいね。