10月の家族カウンセリング
<秋に結ばれる二人>
日本では10月に結婚式をあげるカップルが昔からとても多いと言われています。
それは、「小春日和」といって、このころの気候と陽気が春に似ているため、人々に小さな春、小春が来たと思わせるような気持ちよい季節だからです。
春に出会い、夏の大胆な勢いで盛り上がった二人の関係が、秋に落ち着き、互いにその存在の大切さ、ありがたさに気づき、生涯を共に生きていきたいと願い、誓い合うステキな季節なのかもそれませんね。
誰しも、愛を誓い合ったそのときは、のちに「こんな日が来るとは思わなかった・・・」と、嘆くことがあります。
それは、夫婦間の気持ちのすれちがい!
妻 「なんで、わかってくれないの!」
夫 「わかってるよ」
妻 「うそ!ちっともわかっていないじゃない!」
よくある会話です。
これは、互いに自分の知っている言葉の定義、言葉の意味づけ、が異なるからです。
何をどうのように理解してほしいのか?それを詳しく相手に理解できるように言葉を選んで、伝え方を選んで、繰り返し伝えていかないと、わかり合えないのは当然なのです!
いくら愛し合っていたとしても、夫婦も親子も別の人格です。
「愛している」ことと、気持ちや考えをわかり合えるかどうかは「別だ」と考えてみてください。
そんなの寂しい!と思いますか?寂しいと思っても悲しいと思っても、そうなんです。だからこそ、しっかりした「対話」が必要なのです!
ところが、現実は親も知らない、学校の先生も知らないんです。そういう対話を学校でも家でも教えてもらえないんです!それが昔から今までの日本です。
本来であれば、幼少期から「対話の学校」「コミュニケーションの学校」があってもいいのです。人はみな異なる感覚、異なる感受性、異なる思考をもっています。だからこそ、小さいうちに共通の対話の仕方やルールを学んで、身につけておくことが必要なのです。
しかし、いまの日本はまだまだそこまで手が回りません。
だから、親や先生、まわりのおとなが使っている言葉、言い方、言い回しなどを子どもは真似して大きくなります。おとなになります。連鎖です。
この連鎖がそれぞれの「習慣」や「常識」というものです。
ですから、育った地域、育った環境により、みんな異なってしまうのです。ちがって当然なのです。
しかし、人間は自分のことしか知りませんから、自分の覚えたこと(いいと思ったこと)が正しいこと、常識だ、と思い込んでしまうのです。
夫もそう思い、妻もそう思っていたら、どうでしょう?
互いに「おれが常識」、「わたしが常識」 「おまえが間違っている」「あなたが間違っている」と、口論になってしまいます。
本来の夫婦は助け合い支え合うものなのに、気持ちや考えにズレがあると、急に、「敵」になってしまいます。相手を敵対視してしまうのです。
正しいか正しくないか、勝ち負け、優劣、強い弱い、これが頭をよぎります。
互いに、聴き合うとか、受け止め合うとか、譲り合うとか、そういうことをすっかり忘れて、相手を敵対視して、闘いになってしまいます。これが夫婦喧嘩です。
こうなると、口下手で口論が苦手なほうは、自分の気持ちや思いをうまく伝えられなくて、無言になってしまったり、あるいは暴力をふるってしまうケースもあります。
理屈をこねるのが好きな(得意)タイプは、ここぞとばかりに相手をやり込めます。
黙ってしまうのも、暴力をふるうのも、言葉でやり込めるのも、どれも決して望ましい方法とは言えません。
ついやってしまう人も、いけないことだとわかっていると思います。
しかし、ほかにどんな方法があるのか? みんな知らないだけなのです。学校でも家でも教わっていないので、みんな知らなくて、自分の知っている方法でやってしまうだけなのです。
だから、誰も悪くないのです。しいて言えば政府です。義務教育でコミュニケーション能力を高める教育を怠っているからです。
そこで、当ルーのような取り組み(コミュニケーションの理論とスキル)をおこなっているところで、学んでほしいと思います。おとなになってからでも気づいたときが学ぶときです。
本当は「DV」なんて言われたくない。「モラハラ」なんて言われたくない、そういう男性も女性もたくさんいます。自分の気持ちを相手に伝える伝え方がわからないだけなのです。
そんな方は、早めのご相談をお待ちしております。
より良いコミュニケーションの理論とスキルを学んで、大切な人に本当の気持ちを伝えることができるようにトレーニングしていきましょう!
そして、いつまでも仲の良い尊重し合える二人で、生涯、助け合い支え合い、協働していける夫婦でいてください。
そのような夫婦間に育つ子どもは、人格形成に良い影響を受けて育ちます。
夫婦も親子も尊重し合える良い関係をいまここから築きましょう!