9月の家族へメッセージ
子どもの変化に注意!
9月初めは子どもの自殺や不登校が多くなる傾向があります。
近年では8月の終わりからその傾向がみられます。
では、予防するにはどんなことにどのように意識を持つことがだいじでしょうか?
1.親子でも生まれ持つ気質はちがう!
親は自分の子どもは自分の分身のように思いがちです。母親はとくに自分の体内から産まれ出てくるので、そう思ってしまうのも無理はありません。
しかし、自分ではありませんから自分とはちがいます。ちがっていいんです。先祖からのいろいろな遺伝子を受け継いでいるので、どの遺伝子が遺伝するかわかりません。
目が一重や二重もそうですし、髪が真っ直ぐか縮れているかもそうです。顔の輪郭から歯並び、眉も鼻も耳も指の長さも、みんなちがっていてもいいんです。形状だけでなく、その機能もちがいます。脳で感じる感覚機能も感受性もちがいます。脳のシステムがちがいます。暑さ寒さを感じる機能もちがいます。甘さ辛さを感じる味覚も五感すべてがちがっていてもいいんです。
似ているところももちろんありますが、まずは、ちがっていいんだと心得てください。
2.親子の「ちがい」を理解して受け止めることが重要!
たとえば、『どうしておまえはできないんだ!お父さんの子なのに!』と言って叱ったり、『なんで何回言ってもわからないの!こんな簡単なことなのに!』と怒ったり。『なんで学校へ行けないんだ!怠けているのか!』など、子どもを疑う言葉。
ありませんか? この言葉は子どものこころを傷つけます。
これは「ちがい」を受け止めていないことになります。ちがいを受け止めるとは、ちがいに対して反発しないこと、動揺しないことです。一喜一憂しないことです。
親にしてみれば、子を心配して、思えばこその言葉だ!と言うかもしれません。しかし、それならもっと気持ちの伝わる効果のある言葉を使いましょう。それを知らないだけなんです。
「そうか~親子でもちがうんだ。自分が同じ年の頃にできたことでも子どもはできないことだってあるんだ!」と受け止める。だからといって、それで気落ちしない!!ガッカリしないことです。
ちがいは個性です。親にはない他の良いところをたくさん持っているかもしれません。親は気づかないだけなんです。
親自身が自分の良い部分に自信があるケースでは、とくにそこは似て欲しいと思いがちですが、もし、似ていない場合、似ていないからといって誰かのせいにしたり、「どうして似ないんだ?」と疑問を持ったり、親の思うようにならないことに腹を立て、イライラしないでいただきたいのです。
子どものこころは傷つきますから。
自分のプライドを愛しているのか?子どもを愛しているのか?よく考えてみましょう!
3.子どもを愛するということは?いい意味で過剰な期待は捨てる!
親が子どもの将来を心配するのは当然でしょう。私も40年前、自分の子育て中のときは心配でした。しかし、親の心配や不安を敏感に感じ取る子どもは、赤ちゃんのときからその影響を受けます。
とくに不安の強い親と、感受性が敏感な子どもの組み合わせでは、影響は大きいものになります。
まずは親も子も自分の生まれ持つ気質を知るといいでしょう。
知ったら、そこから補いましょう。不安の反対は「安心」です。自分を安心させる言葉を常に用意して唱えるようにしましょう。敏感な子どもにも安心させてあげる言葉を使いましょう!
脅かす言葉はやめましょう。安心する言葉を自分にも子どもにも使いましょう。
※注 どの言葉が脅しか安心か?わからない人は聞きに来てください。
そして、親の夢を子どもに押しつけない、強要しないようにしましょう。親の夢は親自身が自分の人生で叶えるもの。
子どもには子どもの人権があり、子どもの主体的自主的な夢があります。すぐに見つからなくてもいいんです。子どもには子どもの夢があることだけは忘れないでください。自主性を育てましょう。
4.ほかの子どもと比べるのはやめましょう!
親だって比べられるのはイヤだったはず。しかし、忘れてしまって、自分の子どもには他の子どもと比較して叱咤激励してしまう・・・なんてことありませんか?
子どもによってはイケイケGOGOの子どももいますから、叱咤激励でうまくいくこともありますが、全体の15%~20%くらいは、叱咤激励が苦手で、プレッシャーになってしまう子どもたちがいます。
気質のちがいです。個性です。
ですから、親の行動や言動、態度に敏感で、人にやさしくて、おもいやりがあり、おとなの言うことを聞く子、よ~く人を見ているような子どもには、その子の気持ちをよく聴いてあげる習慣をつくりましょう。
親は聞き役、聴き上手になってください。
子どもの言葉をいきなり否定しない。
子どものこころに寄り添うことです。
子どものペースを乱さない。
子どもの持っている力を信じて、寄り添い見守りながら待つ!
親は共感能力を発揮してください。
子どもは親の期待を知って、その期待に応えられない自分はダメな人間だと思い込んでしまうことがあります。あるいは、期待に応えられないと見捨てられてしまうんじゃないかと不安になることもあります。
そういうタイプの子どもには、
こう伝えましょう。
『ちがっていいんだよ。一人ひとり大切な存在だから、ちがっていいんだよ。
自分の気持ちに向き合って、自分らしく自分のペースで人生を進めていっていいんだよ。』と言って、安心させてあげましょう。
不登校のキッカケとなる学校でのいじめ、授業についていけない、先生の期待に応えられない、などなど、キ引き金となるものはたくさんありますが、そこから子どもにどのように対応していくかで、子どもの将来は大きく変わってしまいます。
ふだんから家庭で、子どもに自信を持たせてあげましょう。自信は認められるとついてきます。
その存在を大切に思い、ちがいを受け止め、個性を認め、その存在は価値あるものだということをしっかり伝えておくと、子どもは自然と自信に満ちた勇気を出せる子どもになります。
勇気があれば、いじめにも立ち向かえます。
勇気があれば、はっきりと自分の気持ちを言葉で表現できます。
勇気があれば、困難なことも乗り越えられます。
その勇気を育てるのも、勇気の芽を摘んでしまうのも家庭です。家族です。
わが家はどうか?よく考えてみてください。
※ いじめっ子 と いじめの対象にされやすい子
いじめをやってしまう子ども・・・この子どもも家でいじめを受けていることがあります。親はいじめているつもりはないと言いますが、子どもがいじめられていると感じていたら、それはいじめていることになってしまいます。
どういうことかというと、親の感覚で、親の常識でいいと思って言ったりやったりすることが、相手(子ども)にはどう映っているか?どう捉えているか?を考えないことが、そうしたすれちがいを起こします。
ですから、常に子どもの気持ち(感情)をしっかり聴いてあげてください。
聴くといっても、尋問のように聞くことはいけません。問い詰める、追い詰める、追い込む、などの聞き方もよくありません。この辺がわからない親も多いので、知らなかったと気づいたら、当ルームへ聞きに来てください。
知らないことは罪ではありません。知った日からやり直せばいいのです。
家で親から「いじめ」を受けている場合、無意識に被害者の意識を抱いてしまいますから、その気持ちがストレスとなり、どこかで仕返ししたくなります。それが学校で出てしまうと、学校でいじめっ子になってしまいます。家で出れば、幼い弟や妹に当たりいじめをおこなうことがあります。
おとなのいじめが連鎖するのです。そのおとなも子ども時代にいじめを受けていたのかもしれません。
いじめの対象になりやすい子、というのは、傾向としてあります。
自分に自信のない子どもです。家で叱られてばかりで、褒められたことがない。
なにかお手伝いをしても『ありがとう、助かったわ』と言われたことがない。
あるいは、なにも悪いことをしていなくても、いつも親が不機嫌だった。不機嫌な顔をしている。それを見て「自分のせいかな?自分が悪いからかな?」と思ってしまう。このような状況で育つと、自信のない子どもになってしまうことがあります。繊細で人に気を遣うやさしい子どもほどそうです。
すると、学校でも、その自信のなさが「弱いもの」と見られてしまい、いじめられやすくなります。
強そうな子ども=はっきりいやだと言える子どもですから、いじめる側の子どもは抵抗しなさそうな子どもを選びます。
いじめる子、いじめられる子、どちらも防ぐには、やはり、子どもを取り巻くおとなのあり方が問われます。
おとなは、親はもちろんのこと、学校の先生も、近所の人も、みんなで子どものこころに寄り添い、守ってあげることがだいじです。それが愛情です。寄り添うとは?どんなこと?どんなふうにしたらいいの?わからない人は聞きに来てください。
おとなの方も知らない方が多いことは確かです。知らないことは恥ではありません。知らないことを知ったら、知ったその日から態度や言動を良いものに替えて子どもたちに接してください。なにをどうすればいいか、わからない方はご相談ください。トレーニングは必要ですが、おとなが変われば子どもも変わります!
みんなで子どもたちを守りましょう!