愛するということ・・・エーリッヒ・フロムの著書から愛とは何か?紐解いていきましょう。
夫婦ってなんだろう?
夫婦の愛するって?どういう意味?愛とはなに? いっしょに考えてみましょう!
エーリッヒ・フロムは、1900年ドイツでユダヤ人として生まれ、フロイトの流れを組む精神分析家であり、人間性の回復を説いた社会思想家として知られています。
フロムのいう愛とは
人間とは「死」を知っている存在であり、いつかは「死ぬんだ」と意識していて「死への恐怖」を解消するために人との一体化をめざす。これが「愛」の本質だと説いています。
どうです、みなさん?
確かに死への恐怖は誰にでもあります。子ども頃に祖父母の葬式を経験し、はじめて人の死に出会い、その寂しく悲しい体験が「人をいつくしむ」こと「人を思いやる」こと「人を大切にする」ことを学ぶのですね。それは愛ですね。
相手が見つからないのは、その人に他人を愛する力が足りないからだ
愛する相手がもし見つからないとしたら、フロムはそれは愛する力が足りないからだと言っています。
えっ、どういうこと?
私たちは資本主義経済の中で市場主義、損得ばかりを考えて生きています。それに慣れ過ぎてしまって、恋愛まで損得で考えてしまっているとフロムは言います。
恋愛も結婚も「自分にとって好都合」ばかりを考えてしまうと、本当に良い人を見抜けなくなってしまうことを指しています。打算的になっては結果的に良い人にめぐり会えないことを示唆しています。
人間は自分を集団に融合させることで孤独を忘れようとする習性があると、フロムは言っています。個人と個人だけではなく、人は孤独や恐怖から逃れるために集団の中に入り、またその集団を同一化(同じにしたい、同じでなければならない)しようとします。
でも、それって、本当の愛???
愛とは本来与えるものである
愛はギブ&テイクではなく、ギブ&ギブなのです。お互いに与え合うもの。自分を満たしてもらおうと思って愛するのは愛ではないですね。〇〇してほしい。もっと私にこうしてほしい。ほしい、ほしい。得ることばかり考えて、自分は与えることを知らない。それは愛ではないですね。
自分の要求ばかり言って、それが叶わないと「ほら、あなたは私を愛していないのね」とすねる。怒る。これは愛とは言えません。どこまでも満たされない自分がいる証拠です。
そういうときは、いったん恋愛から離れて、自分で自分を認めたり好きになったり、自分を大切に思い愛せる人になりましょう。それができてから恋愛したほうがいいですね。
人は愛されて変わる
人は「変わりたい」と思っても、なかなか変われないことがあります。自分を改善する、自分を改革するって本当に難しいのです。抵抗があるからです。恒常性といって人間は変わらないように保つシステムが備わっています。だから一度習慣になってしまったことなど変わりたくても変われないことがあるのです。
しかし、そんなときも「人から与えられる愛」で変わることができるのです!病気を治すときもそう。医師からも家族からも周りの友人たちからも「早く良くなって!」「早く会いたい」「あなたは大切な人だから」といって、「愛」をあたえられて良くなります。回復が早くなるのです。
ところが「どうして病気なんかになるの!!」「もう迷惑なんだから!!」と、愛のない言葉を言われたら回復どころか病は悪化します。
ですから、愛は与えることで、他者が良くなるのです。
また子どものしつけもそうです。「どうしてやったの!こんなことしたら悪い子になるよ」日本ではこんな言葉で叱責してしつけていました。それではよくなりません。怖くて子どもは委縮してしまいます。そうではなくて、「あなたにはこんなに良いところがある。これをやったらもっと良くなる」と、プラスのイメージをさせてあげることで能力はどんどん発揮されます。それは愛を与えたからです。
愛は信じること
愛を与えられる人は、対象への気持ちは対象を信じています。そうです。愛は信じることから生まれるのです! 疑いからは生まれません。疑われていると思ったら相手を信じられますか?お互いに不信になるでしょう。ですから、愛は信じることがだいじです。
信じることは勇気です。相手を信じましょう。相手を愛しましょう。愛を与えましょう!
ところが信じることも与えることもできないとしたら、それはあなたがあなた自身を好きではないかもしれません。相手への気持ちは自分への気持ちでもあり、相手を大切に思えないときは、自分のことも大切に思えないときかもしれません。もし、あなたが猜疑心や恐怖心や不安が強いとしたら、こちらも参考にしてくださいね。
愛は世界を、人類を救う
今や、世界はひとつ、どこかで戦争が起これば、それが核戦争になったら世界は一瞬にして破壊されてしまう。
ゆえに・・・
ひとりの人を本当に愛するということは、すべての人を愛することであり、世界を愛し、生命を愛することなのです。
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2023年