2015年8月の家族カウンセリング


★ 「ねたみ」という感情

この前、NHKのあさイチという番組で「ねたみとつき合う」というテーマで
妬み(ねたみ)について取り上げていました。

妬みのメカニズムを考えてみましょう。
妬みは誰にでもある感情です。5歳児でおとなと同じ17種類の情動を感じますから、
もうその頃から私たちは何かに「妬み」を覚えているのかもしれませんね。

では、どうして、どんなときに、どのように妬みの感情は湧き起るのでしょう。
それは、自分にないものを他者、相手がもっているとき、自分もそれを欲しいと
思ったときに顕れますよね。
「いいな~」「うらやましいな~」この程度で済めばいいのですが、ところが、
ここから分かれ道があります。
質の良い妬みと、質の悪い妬み・・・
うらやましいな~、から「どうやったらああなるんだろう?」→「よし、私もやってみよう」
とこうなれば、妬む気持ちは、自分の向上心、意欲の表れとなって、自分を高め成長させる
ことができます。これが質の良い妬みですね。

ところが、もう一つの方向は、うらやましいな~、から被害者意識に発展してしまう道です。
うらやましいと思う対象の人に、自分を重ね合わせて、つまり比較して、
「私はなんてダメなんだろう、できないんだろう、得られないんだろう・・・」と、
自分を自分で勝手に否定して、蔑み、思い詰め、挙句の果てに、苦しくなると、
「こんなに私を苦しめているのは、あのひとだわ」と、ここで苦痛の責任転嫁をします。
ここが分岐点。自分を情けなく思い苦痛に思う気持ちを相手のせいにしてしまうのです。
自分を被害者に仕立てて、いいな、うらやましいな、と思える相手を加害者、悪者に
仕立ててしまう思考、そして、「恨み」に発展することがあります。
これが質の悪い妬みです。

小さい頃から、よく褒められて「やればできる」という自信があると、人ができていることを
自分もできるんじゃないかという漠然とした自信が支えてくれます。
それで、良い妬みになるのですが、幼少期から、達成意欲が低かったり、まわりのおとなから
認めてもらえなかったり、なにをやっても否定されたり、発言を聞いてもらえなかった、
という経験が、子どもの自信をなくし、そのままおとなになると、他者を妬む気持ちが
向上心や意欲にならずに、自分を被害者に仕立てる意識に変わってしまうのですね。

もし、自分がそのような傾向があると思ったら、早めのご相談を。
人を憎んだり、恨んだりしなくていいように思考の習慣を変えていきましょう。
お待ちしています。