困る家族 こまるこども編 ~こどもの視点に立って考えよう~


良好な家族の人間関係づくりのための

困る家族 こまるこども編

 

困る家族シリーズ(こまる夫編)(こまる妻編)の第三弾は「こまるこども編」です。

成育期間の十数年は人格をつくる基礎です。建物も基礎がしっかりしていれば丈夫で耐久性の高い建物になります。

人間も基礎がとてもだいじです。

こどもが将来おとなになって自立できるように、社会で生きやすく楽しい人生を送れるかどうかがかかっていると言っても過言ではありません。

また親子の縁は切れませんから成人してからもお互い影響があります。良い関係をつくりましょう!

 

いま、家族間で子どもが困っていること、将来おとなになって困ることを今回は⇩この5点に絞って解説します。

 

これを放置するといったいどうなってしまうのでしょうか?なぜいけないのか。

①夫婦ゲンカ これは、こどもの前では見せたくないものですね。こどもにとって親は初めて見るおとなです。おとなに対して失望してしまいます。子どもはどちらも大好きなお父さんとお母さんです。そんな二人の罵り合いやいがみ合いを目の当たりにすると、こどもは悲しくなります。そして、思春期以降に恋愛や結婚にうまく進めないことがあります。両親の存在はおとなのモデルとしてこどもの目に映ります。良い関係であれば結婚もしたい、こどもも育てたいとなりますが、あまりよくない関係であると、恋愛や結婚にも失望してしまいます。

②ダブルバインド これは、二重拘束といって言っていることと行動がちがう指示をこどもに与えてしまうことです。たとえば『おもちゃを片付けないなら捨てるよ!』と言っておきながら捨てない、とか。あるいは、買い物に行って『好きなモノ選んでいいよ買っていいよ~』と言っておきながら『これ買って』とこどもが言うと『そんなものダメ!』と言う。このようなことをいいます。これを繰り返しおこなうと、こどもは親を信じられなくなります。親への不信は、おとなへの不信、他者への猜疑心へと発展してしまうことがあります。

③無視をする これは、絶対にやってはいけないことですね。無視をされるとこどもはとても寂しく悲しくなります。こころに穴が開いてしまうのです。虚無感です。また、こどもの自己受容、どんな自分でも自分を受け入れたり、自己肯定感、自己重要感といったものが育ちにくくなります。自分の存在を認めにくくなってしまうのです。生きづらさの原因にもなります。親は無視したつもりではないというケースもありますが結果的には同じです。子育ての十数年間だけはこどもに意識を向けましょう。

④過干渉 これは、親が自分とこどもとの「自他の分離」ができていないことから起こります。自分の分身のように思ってしまい、自分の叶わなかった夢をこどもに託したり、過大な期待をかけたりします。これはこどもの負担になります。そればかりか、こどもの自立心や問題解決能力を低下させてしまう傾向があります。それにより自分で選択して自分で判断して自分で決める「自己決定能力」に欠けることにもつながります。またリスクを恐れ果敢にチャレンジできない人になることもあります。要注意ですね。

⑤過保護 これは、④と共通している「自他の分離」ができていないことに由来します。こどもを守りたい気持ちは素晴らしいのですが、その裏に隠れている「親の不安」があります。親は本来、自分の不安は自分で解決する必要なあるのですが、自分の不安(この子がもしも〇〇となったらどうしよう)を自分で消せなくて、こどもがこうしないでいてくれたら、とか、こどもが自分の言うことを聞いてくれたら、とか、こどもをなんとかしようという意識が働きます。すると、そのためだったら、ほかのことで「こどもの言うことを何でも聞いてしまおう」と引き替えにして許してしまうので、こどもはわがままになってしまいます。その結果、依頼心や依存心が強くなり、反対に独立心が弱くなります。また自主的自発的に考えて行動する機会が奪われることとなり、不安を抱きやすく「うつ病」にもなりやすい傾向があるとされています。

 

まとめます

思春期以降に、『どうしてうちの子は自立しないんだろう?』『なぜ積極的にチャレンジしないんだろう?』と悩むお母さんがいます。

それは、もしかしたら乳幼児期からの関わり方に課題があったのかもしれませんね。しかし、親になる学校があるわけではないので、誰も悪くありません。罪ではありません。みんな知らないだけなんです!

多くの人は自分の親が自分にやったことを真似て親をしています。親になった自分もこども時代にこのような扱いをされていたのではないかと思い悩むことがあるかもしれません。

そのように気づいたら、気づいたときからでも遅くありません。一刻も早く「望ましくない連鎖」を断ち切り、こどもの自立によい子育てをやっていきましょう。

こどもがおとなになっても社会で生きやすくなるためです。それは親にも良いことです。

 

※動画でご覧になりたい方はこちらから⇩

困る家族 こまるこども編

 

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