ケーススタディ
年末年始 妻と義母 嫁姑問題から
毎年この時期になると多いご相談は、妻からの『夫の実家に帰省したくない!どうしたらいいですか?』というご相談。
妻の言い分:『なにも夫の母と結婚したわけじゃないし、会いたいなら夫だけ帰省すればいいのよ!』プンプン(怒)
カウンセラー:『なにかイヤなことをされたとかあったのですか?』
妻:『ありました。私の悪口を夫に言うんです。A子さんは愛想が悪い。気が利かない。親に感謝しない。あの人のどこが良かったの?こんなふうに言って、まるで夫婦の間を裂こうとしているみたいなんです。』
カウンセラー:『そうなんですね。それは不快な気持ちになりましたね。』
妻:『夫も夫なんです。義母がそう言っていたことをわざわざ私に告げ口しなくたっていいのに・・・私に言うなんて・・・おかしいでしょ?』
このようなことから
義母も夫も嫌いになってしまった!というケースもあります。
または、妻の妊娠がわかると、『孫が生まれてくるのが楽しみだわ~ 赤ちゃんの名前は私につけさせて!』と義母が子どもの名前をつけたがるケース。
または、孫の面倒をみたい義母が『子育て経験は私豊富なんだからだいじょうぶよ!私に任せて!と言って、産後間もなくからズカズカと家にあがって来て困るんです。』というケース。
または、育児のやり方が古くて、教育上好ましくないと思う妻。育児の不安と義母への不満でストレスを抱えてしまうケース。
もちろん、良好な関係でうまくいっているケースもあります!

うまくいっているケースでは3つのポイントがあります。
①お互いに干渉しない。親が子ども夫婦に立ち入らない。
②価値観のちがいを認め、尊重している。親の価値を強要しない。
③親は親自身の人生を楽しんでいる。
それでいて、なにか困ったときにはお互い助け合うことができているケースですね。
関係性に不具合が起きるのは?
「愛のあるかかわり方」ができているかどうか?なのです!
愛があるということは、相手の気持ちを考える能力や余裕があるということになります。
愛がないと感じるのは、「自分勝手」「自分都合」自己中心性で発言する、行動する、決めてしまう、ことからです。
相手の気持ちを考えたり問いかけてみたりせずに『きっとこうだろう』『そうにちがいない』という「勝手な思い込み」で事を起こす。
行動の理由に「自分がいいと思ったから」と正当化します。
良かれと思って「過干渉」になっているケースが多くみられます。悪気ないので自覚がありません!ここが困ってしまうポイントです。
嫌われてしまう義母さんも、なぜ嫌われてしまうのか?わからないだけなんです。
いつもお伝えしているように「人」と「事」を分けて考えると、「悪い人」ではなく、無自覚にやってしまう「事」がよくないことであって、それがなぜよくないのか?を知らないだけなのです。
なぜ、知らないのか?
対人関係において「洞察力」は大変重要な鍵になります。相手の状況、気持ち、価値観をきちんと冷静に考えられるかどうかにかかってきます。
洞察力とは、本質を見抜く力であり、表面的な観察力だけでなく、見えていない部分まで見抜く力であり、それは偏った「先入観」「思い込み」「決めつけ」を持たないで、ゼロベースで、人(相手)や出来事を捉えることのできる能力です。
生まれつき「素質」として備わっている能力でもあり、それをさらに磨きをかけて開発することで、社会のどこでもどの場面でも「問題解決能力」として活躍できる素晴らしい能力になります。
無自覚に「いいと思ってやってしまう」人の特徴は
①素因として「認知的柔軟性の欠如」「好奇心と開放性の弱さ」と ②後天的な育った環境による「知識と経験、情報の不足」「感情のコントロール困難」などが考えられます。
しかし、洞察力は後天的に伸ばすことができる部分もあるので、専門家のサポートで鍛えていけると思います。※ただし、サポートを受けない(受けたがらない)人も多いので改善には困難を要することもあります。
義母の過干渉
これを止めるには、感情的にならずに冷静にきちんと『〇〇していただけることは私は困りますからやめてください。』と伝えることなんですが、なかなか言えないですよね。
息子である夫に言ってもらおうとしても、夫は夫で『そんなこと言えない』と返ってきます。それはずっと昔からそうだったからでしょう。言っても無駄だ、止まらない、あるいは、断ったら不機嫌になる、不機嫌になられるほうがもっと困る。
このようなやり取りから夫まで嫌いになったというケースもあります。

永久の愛を誓い合ったはずの二人が、こんなことになるなんて!!悲しいですよね。
そんなときは専門家の介入です。
介入ですべてうまくいくとは限りませんが(義母が受け入れないケースもあるので)、義母さんも第三者で専門家の話から学んでみようという方もいらっしゃいますし、妻や夫も自分たちの考えや生き方、ライフスタイルを冷静に堂々と義母に伝える勇気がわいてくるかもしれません。
どうしても折り合いがつかない場合は、自分たちの新しく築いた家族を優先して、義母とは距離を置く勇気をもっていだだくこともあります。そのとき罪悪感をもたないことが決め手です。
本来は親の犠牲になることでありません。本来の親の愛は子どもたちが自立して自分らしく生きることですから、それに不寛容な親は親自身の課題に気づいていないだけなので、巻き込まれる必要はないことを覚えておいてくださいね。
誰にでもある自分の課題
人生で起こる出来事、出会う人、もし不具合が起きた場合は、「なにかしらの自分の課題に気づかせてくれるサインなんだ!」と捉えてみてください。
今まで見過ごしてきたこと、見ないふりをしてきた、気づかなかったことへのサインなんだ、と捉えることで、これを機に自分はもっと成長できる、課題を放置しないで向き合って乗り越えて成長できる、そのために起こったできごとなんだ、と捉えてみてください。
本当に精神は成長します!
※動画でみたい方はこちらから⇩

