ケーススタディ
家族関係 お盆休み中の帰省
先週末から今週はお盆休み、夏休み、というご家族も多いと思います。お盆行事と言えば先祖のお墓参り、親戚が集まり会食をして夜は盆踊り、といった光景が浮かびます。また日本各地で行われる「お祭り」もお盆行事のひとつですね。「お盆」という概念を知っている人は70~80%の人が知っているようですが、親と別居の親族で親元へ帰省する人は30~40%くらいだそうです。
お盆行事として何をするか?の問い(アンケート)には「お墓参り」が半数以上を占め、親戚との会席に参加するは15%くらいだそうです。
ここで、よくある家族問題
夫婦のケンカの原因ともなる「どっちの実家に行く行かない問題」「どっちも行かない問題」「夫婦で意見が分かれる問題」などなど。
昔からある「嫁姑問題」は近年では、ものわかりの良い姑(義母)が増えたことで干渉が少なくなり、同時に問題も減ってきたと思います。それの背景には「家制度」の廃止から77年が経ち、家系・家柄だとか年長者の指示に従うなどから解放され、結婚そのものが家に嫁ぐ「よめ」という立場から、パートナーと共に生きるひとりの女性としての人権が尊重されるようになったからだと思います。地域は地方や都会と関係なく古い考えの姑(義母)もいらっしゃいますが相談窓口も増え選択は個人の自由になりました。
しかし、夫婦同士で揉めることはあります。
たとえば、夫婦目線で、夫の実家で夫の母が帰省してほしいと夫(息子)に言い、夫が妻に『今度のお盆休みはうちの実家に帰ろう』と言うと、妻は急に不機嫌になる。というケースがあります。夫婦の間では揉め事がないのに夫の親が話題に出ると途端に不機嫌になる妻。
このケースの場合は事情をよく聴くと、結婚のときに義母から反対された。義母に悪口を言われた。妻は義母に対して良い印象はなく不快な思いが蘇ってくるという、そういうケースです。あるあるです。(もちろん逆もありますが)
母と妻の間に入った夫は『なんだよ、まだ根に持っているのか! もう過ぎたことだし、いいじゃん。親に孫の顔も見せてやりたいし、行こうよ』などと言ったらもう大変です。
何が大変か?
結構このように、夫が妻の気持ちに気づかないことがあります。
帰省の話を出したときに妻の顔が曇り機嫌が悪くなったことに、妻のどんな気持ちがあるのか察することが夫は難しいのです。
察してほしい妻と、察することが苦手な夫、このパターンは実に多いのです!
ただし、ここで妻が明るく『あ~、わたしね、申し訳ないけどあなたのお母さん苦手なんだ~ あなただけ子どもと行ってきてよ~』とサラッと言えてしまえば問題にはなりませんね。
ところが・・・言えない妻も多いんです。
ここでどうして言えないか?
言える人から見ると、『どうして言えないの?言っちゃえばいいじゃない!』と思うかもしれませんが、言えないことはあるんです。
それは、その人のやさしさでもありますが、こころの中で葛藤があるんです!
どんな葛藤?
「夫のことを思うといっしょに行ってあげたい。
でも、義母のことを考えるとどうしてもイヤだ。
だって、自分が苦しくつらくなるんだもん。
だから行きたくない!
だけど、夫と子どもだけで行かせることはいいことなのか、わからない。
悪いことのような気もするし、・・・
ああ、どうしたらいいの、
夫さえ、そんな「帰省しよう」なんて言わなければいいのに・・・」
⇧ このケースが多いのです。これで不機嫌になる!
解決のためには自分と向き合うことが必要なのですがそれができなくて、夫にあたってしまう。不機嫌な態度で気づいてもらおうとする。
つまり、察することが苦手な夫と、自己主張が苦手な妻。
近年結婚生活の悩みにはこの二人のようなカップルが増えているように思います。(相談に来られるカップに多いという表現が正しいかもしれません)
そこで、このようなケースには二人にいっしょに「アサーティブ・コミュニケーション」を実践して習得していただきたいと思います。
すると、「言わなければいいのに」が「言ってもいいよ、わたしはきちんと断ることもできるし、もし行くと決めたらその時は気持ちを切り替えて機嫌よくして行くわ」となります。
相手を変えることはできなくても二人の関係性を変えることはできます!
結婚とは互いの課題に気づく場であります。
成長の場でもあるんです。今まで自分と向き合えなかったこと、あえて見ないようにしていたこと、それが顕著に出る場所なんです。そこで自分を振り返り、自分と向き合うことができると、人としてグ~ンと成長しますよ!
いつでもご相談ください。
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