ケーススタディ おとなになってからの母と娘の関係性   60~70代母親と30~40代の娘


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おとなになってからの母と娘の関係性 60~70代母親と30~40代の娘

いま始まったことではありません。20年前も30年前にもありました。昔からあった「おとなになってからの母娘の関係性」がこじれてしまう事例。

いつの時代でも起こりうることです。むしろ今は減る傾向にあります。でもだいじょうぶ相手は変わらなくても関係性は変えることができます!

 

子どものためと思っていろいろ心配して口を出してしまう親。

子どものためと思ってお金も出してしまう親。

しかし、子どもはもう自立したおとな。

仕事もできる生活も独立している。口を出してほしくないと娘は思う。

 

それなのに、親が干渉してくるのはなぜでしょう?

そこには、母親自身の無自覚に働く「思考と感情」がありました!

①親の気質と育った環境が影響していることがあります。

生まれ持つ気質に強い不安を抱えてしまうものがあるとしたら「もしこうなったらどうしよう?」という漠然とした未来への不安を感じてしまうでしょう。

すると、不安を打ち消したくて誰かに依存してしまうことがります。頼るというより『私の不安をなんとかして!!不安にさせないで!』という思いです。とくに娘のことを必要以上に(不安視)心配しているケースにみられます。

そう、その心配は「娘を思って・・・」と母親は言いますが、実は自分が困るからなのです。自分が寂しい、悲しい、自分が注目されなくなる。などの隠された要因があります。本人は気づいていないことがあります。

親の親もそうしてきたケース、あるいは親の親が無関心で何もしてくれなかたケース、理由はそれぞれ、さまざまなパターンがあります。

母の言い分 娘の言い分

     

母親の中で、自分の価値基準や常識が「正当化」されたときに、“正論を振りかざす人”になってしまいます。『子どもが親をみるのは当たり前でしょ』『親に感謝するのは当然よ!』などと正当化してしまうと強引にその考えを押し付けようとすることがあります。(もちろん、そうでない親御さんもたくさんいらっしゃいます)

そうでない親御さんは、自分の人生と娘の人生をきちんと分けて考えることができています。子どもの頃は人生の領域が重なっていますが、心身ともに成長し、子どもの自立が進むについて輪は離れていきます。。それが自然な親子の分離になります。

ところが、母親が自分の抱える不安に気づかず、「私を不安にさせているのは娘が言うことを聞いてくれないからだ、娘の動向がわからないから私は不安なんだ」と不安を娘のせいにしている場合「とにかく、私の言うことを聞いて」「私の思うとおりに行動して」「そうしてくれたら私は安心できるから」という態度で、自分の意向を娘に押し付けてくるので、これでは娘は疲弊してしまいます。

娘も30代~40代になって社会人として家族以外の接点も多く持つようになれば、自分の人生は自分で決めて進めていきたいですよね。

人生は選択と決定の連続で進んでいきますから、自分の責任のもと、何を選択するか、どう決定していくのか、自由に決めたいです。それが親からの健全な自立というものです。

しかし、なぜ依存的な母親は子どもに依存してしまうのか?

それは「子育て」が自分の役割や目的になっていて自分が自分を認めること(自己承認)のできる唯一の「ステージ」だったわけですね。それを失ってしまうと自分が何者だかわからなくなってしまうという現象でいわゆる「空の巣症候群」というものです。

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「空の巣症候群」についてはまた別のコラムでお話ししますが、母親の心身の不調がみられると、逆に娘は母が心配になります。

すると、母から離れたい気持ちと母を放置していいのか?という罪悪感にさいなまれます。それで葛藤する気持ちから娘も苦しくなります。

解決には、娘はもうじゅうぶん親孝行をしている(3歳までに一生分の親孝行をしている説)のだから罪悪感を持たずに自分の人生を歩んでいくこと。

母親は逆に自分の人生を生きること!今まで主体が自分でなく「誰かのために」だったわけです。今からでも大丈夫、「自分はどうしたいの?」と自分の気持ちに問いかけ、自分のやりたいこと、興味や関心のあることを探して自分の人生を生きることを考えていただきます。

 

近年では「自分の仕事」「やりたいこと」を持つ母親が増えて、逆に「子を放置する母親」傾向にあり、空の巣症候群は減ったと思いますが、ときどきいらっしゃいます。それはこのお母さん自身の子どもの頃に遡って検証してみるとわかります。生まれ持つ気質と育った環境の影響は大きいですね。どこかで第三者の専門家が介入することで早期に発見され軌道修正できますから専門家を頼ってくださいね。

※詳しくは動画で観たい方はこちらから☟

おとなになってからの母と娘の関係性