ケーススタディ
ハラスメントの格好の標的(ターゲット)にならないための自分づくり
今回は前回「見極めよう!家庭内のハラスメント」の続きです。
前回のYoutube講座で、外から見えにくい家庭内でのハラスメント(モラハラ・ロジハラ・フキハラ)を冷静に見極めようということをお伝えしました。そのラストに次回はターゲットにならないための自分づくりをお伝えすることを約束しましたね。
すでに動画でご覧いただいた方も多いと思いますが、テキストでも読んでみたいという方にケーススタディとしてお伝えします。
相手(行為者)は格好の標的(ターゲット)を求めている
ハラスメントの行為者は、いじめや嫌がらせによって自分の満たされないものを満たしています。ひとつのストレス解消法なのです。つまり、行為者自身もかなりのストレスを溜めていることがあります。対外的には「いい人」を装っていることがあるので、家に帰ってから無理している自分を解放し発散するのです。それがモラルハラスメント、ロジカルハラスメント、不機嫌ハラスメントとなって現れます。
こどもの頃から常に競争の中にさらされて自分が優位でいること、優位であることで自分を保とうとしているケースが多くみられます。そういう環境で育ったのかもしれませんね。そのままおとなになると、プライドはさらに高くなり価値基準がいつも競争で優劣とか勝ち負けになっていますから、譲る愛とか与える愛を知らないまま過ごしていることがあります。無自覚にパートナーを攻撃してしまいます。攻撃しているつもりはなくても攻撃しているのです。彼らにとっては攻撃ではなく競い合いなのでしょうね。それは競い合う中で常に優位に立ちたいという思いからです。交際や結婚に何を求めているか? それは優位に立たせてくれる相手を探しています、求めています。
優位が崩れることをいちばん恐れていますから、負けを認めない、謝らない、人を頼らない、感謝しない。それでいて責任逃れをする。前回の動画にあったようにポイントは2つ、①人のせいにする ②説教が長い でしたね。
ハラスメントされやすい状況はどんなときでしょう?
それは、相手の攻撃に対して「嫌われるのが怖くて言い返せない、言いたくてもなんて返していいかわからない、嵐が収まるまで我慢すればいいんだわと思ってしまう」このような対応であると、相手は攻撃の手を緩めません。ますます攻撃してきます。相手は調子づいてお説教が3時間~4時間になることも!
そして、スッキリして冷静になり、平穏な日々が続くがまたストレスが溜まってくると、ハラスメントで発散させる。この繰り返しです。
こちら側の「不安、恐れ、怯え」が好物です。ここがポイント!こちらの怯え、委縮した姿を見て優越感に浸るのです。満足するのです。
では、どうしたらいいのでしょう?
実は相手も何らかのコンプレックスを抱えていて歪んだ自尊心をもっています。
ハラスメントはその自尊心を満たすための手段ですから、こちらは満たさないことが防御策です。
つまり、精神的に上になる、相手の思い通りにならない、言うことを聞かない、物理的距離を置くなどです。これに弱いのです。
こちらは、冷静に感情的にならずに堂々と毅然とした態度で接することです。相手の土俵に乗らないこと!
そして
嫌われてもいい、言い返さなくていい、我慢しなくていい、距離を置いていい、のですが・・・・・
しかし!
そんなこと無理!!!!
私にはできない!と、あなたは思いますか? それとも「そうか!わかったわ やってみる!」と思いますか?
自分がどんなタイプなのか、自己チェックしてみましょう
上記のうち、1つでも2つでも当てはまる場合、ハラスメントのターゲットにされやすい可能性はあります。いかがですか?
そうだとしたら、ターゲットにされないための自分づくりをしましょう!
ターゲットにされない、ターゲットにならない自分とは、いったいどんな自分でしょうか?
それは上記のチェックの答えが下記のようになることです。
①自分が悪くない時は悪くないと言える。波風立つこともある、私は自分を表現する。 ②相手から否定されてもそれは相手の自由、私は私を肯定する。 ③相手が不機嫌になるのは相手の勝手、私は私の要求を伝える。 ④相手がどう思うかよりも、私は私の行動基準で行動する。 ⑤相手の間違いに気づいたら、伝えてあげることが親切だ。 ⑥相手が不機嫌になるのは相手の勝手、私は私の友人や家族を大切にする ⑦相手の指摘には真摯に受け止めるが、自分のことは自分で判断する。
これらは権利なんです、あなたの人権です!人間はまず自分を大切にしていいんです。その上で相手にも配慮をもって接することがだいじです。
自分づくりのメリット
では、自分づくりをすると、どんなメリットがあるでしょう?
それは、自分のまわりには自分に合った人が集まるのです!
よい出会いがあります。そして、自分に合わない人は向こうから去っていきます。
それは
自分を大切にしていること。
主体性をもって自己開示する、自己表現することなんです!
言い替えれば、
自分軸
があるということです。自己中心とはちがいます!
自分の気持ちや考えを俯瞰して捉えることができる。メタ認知ができているということです。
主体性とは、自分の気持ち、意思、意志、などが明確で、その判断の上で、責任もって行動できることです。
他者がどう思うかではなくて、自分はこうしたい!こうしたくない、という基準で行動できることです。
主体性の形成には、生まれ持つ気質と、子どもの頃に取り巻く環境(人)に影響されます。
ここについてはまた別の機会にお話しします。
つぎに スキル編です
合気道の要領でOK
合気道では相手の力を利用して「かわす」ことがポイントですね。
これに当てはめてみましょう。
相手(行為者)があなたに対して不満を言ってきたとしましょう。
たとえば『なんだ、こんな料理しか作れないのか!』とか『なんで片づけができないんだ!』とか『おれが言ったのと違う物を買ってきたな、なんでわからないんだ!』
このように見下す言葉で不満をぶつけてきたときに、こちらは
一旦受け止めます 『そうなのね、あなたはそう思ったのね』受容する。
次に『それってどういう意味かしら?こういうこと?』と問いかける。
相手がさらに暴言を吐いてきたら、それをメモしておきます(相談の際、離婚の際に使えます)
そして、決め手は『それなら、あなたはこういうことを伝えたかったのね!私には伸びしろがある、可能性が大ってことね』
このようにポジティブな捉え方にリフレーミングします。相手がネガティブな言葉で追い込んできたら、こちらは合気道のようにポジティブにかわすのです。
相手の予想を覆します。
相手は攻撃意欲をなくします。自分から去っていくでしょう。
関係性を変えるということはこういうことを言います。
ただ、これは結構高度な技術なので、すぐにできなくてもいいんです。自分づくりをやっていく中で自分に自信がついてきますから、そうしたら自然とできるようになると思います。
まとめます。
ハラスメントする人は何らかのコンプレックスを抱えていることがあります。
その人自身も自分と向き合って、自分をきちんと愛することができれば他者をも大切に思えるようになると思います。
他者評価ではなく自分を認める自己受容ができているかどうかにかかっています。
成育歴での「愛」がだいじですね。親はいくら愛を与えていると言っても、子どもが愛をもらっていると感じなければ、愛情不足になってしまいます。
ハラスメントする人の弱点は、相手が怯えないことです。威嚇して怯えさせて自分は満たされ喜ぶわけですから、怖がらない、怯えない状態になると、行為者が困ってしまいます。そこが弱みです。
なので、あなたは自分という主体性をもって、堂々と対峙することですね。
怯えないあなたを見て、相手から去っていくかもしれません。
自分づくりは主体性づくりです。
いっしょにやっていきましょう!
※参考動画はこちらから➡格好の標的にならないための自分づくり