月経前症候群(PMS)と HSP(Highly Sensitive Person)との関連性 ~よい関係づくりのために~


夫婦やカップルなど近い関係のよい関係づくりのために

今回のケーススタディは、夫婦やパートナーとの関係で重要な研究結果をお伝えします。

月経前症候群(PMS)と HSP(Highly Sensitive Person)との関連性について知っていてほしいこと!

 

月経前症候群(PMS)とは

PMSという言葉を聴いたことがある女性は増えていると思います。これは生理 月経前(3日~10日ほど)になると身体的、精神的に現れるさまざまな不快な症状のことをいいます。なんだかイライラする、怒りっぽくなる、甘いものが食べたくなる、あちこちが痛くなる、などなど心身に不快な症状が現れます。症状は月経がはじまると改善に向かっていくというのが特徴です。

ただ、すべての女性がそうだというわけではなく、月経のある女性の7~8割がなんらかの不快を感じているということなのです。また、その程度には大きなちがいがあり、軽い人もいれば大変重症な人もいます。重度のケースは日常生活に支障をきたすことがあります。

中でも著しい気分変調をきたすものがあります。それは月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれるもので、PMSとは区別して精神疾患のひとつとして考えられています。これはイライラする、怒りっぽくなる他に激しい落ち込み、抑うつ状態になったり、不安や緊張、情緒不安定などの気分障害が著しく、生活そのものに支障をきたすものです。

 

そして、これは

HSP(Highly Sensitive Person)との関連性があると言われています。HSPは生まれ持つ気質です。病気ではありません「気質」です。気質とは遺伝子的なものですから誰のせいでもないんです。私たちは自分がどんなタイプの遺伝子をもっているかなんてわかりませんから、親も先祖も誰もわからないのです。

このHSP気質は、とても感受性が繊細でささいな変化にも敏感に気づく力を持っています。ひとつの能力なんです。周囲のあらゆる刺激、他者の言葉にもに敏感で傷つきやすい気質をもっているため、月経前症候群(PMS)の不調に対しても、通常よりももっと敏感になり、ささいなことでもイライラや気分の落ち込みなど気持ちがつらくなってしまうのです。

 

ここで、なにが問題か?

よくあるご相談(近年は夫から)で、『毎月、なぜか妻の機嫌が悪くて困ってしまう ぼくや子どもにあたるんです』というものがあります。また、夫は『妻の不快な気分や怒りの感情は、すべて夫のぼくのせいだ、とか、子どもが言うことを聞かないからだ、と妻は言うのです』

確かにこのようなご相談は多く、夫婦カウンセリングをおこなってみると、かなりの確率で、上記にあるようなHSP気質をもった方にPMSまたはPMDDの症状のあるケースがみられます。これはカウンセリングの後、婦人科など専門医に診てもらった結果です。

妻や母となった女性が、「PMS」「PMDD」を知識や情報として知らないこともあり、そうした場合、なにが原因で自分はこんなにイライラしたり気分が不快になったりしてしまうのだろう?と考えても自分の体質や気質だとわからずに、その原因を夫や子どものせいにしてしまうことがあります。(注:もちろん、すべてではありません、こういう事例が多いということです)

それは、人は誰でも自分の感じているままが他の人も同じように感じていることだろうと思うことが多く、自分が全体の20%~10%くらいであるとは気づかないからなのです。

独身のときは実家の親が助けてくれたり、仕事をしていても生理休暇をもらい家で寝ていられることがあったと思います。しかし、結婚して子どもが生まれたりしたらゆっくり寝込んでいることもできず、一層強いストレスとなって現れるでしょう。このとき自分の気質や体質と向き合うことができるといいですね。

しかし、身近な夫、子ども、の言葉や行動が目につき『わたしをこんなにイライラさせるのは夫や子どもが言うことを聞いてくれないからだ』と思い込むようになり、相手にあたってしまう。怒りをぶつけてしまうということがあります。

しかし、あたられた方はたまったものではありません。女性のカラダのこともわかりませんし、自分(夫)の母親や女きょうだいがPMSなどでない(月経が軽いタイプ)場合もありますから余計わかりません。夫としては、なぜ不機嫌になるのか?どう接していいかわからなくなります。

それが度重なると夫の気分も苛立ちを覚え『いったい何だって言うんだよ、おれが何したって言うんだよ』と怒り出し、ここでケンカになります。このようなご相談が多いのです。

そうなんです。なにが問題かというと、この摩擦、ケンカによる夫婦や親子の関係性が悪化してしまうことが問題なのです!

 

誰のせいでもないのです!

妻も決して『こんな自分が悪い、こんな自分じゃダメだ・・・』などと考える必要はなく、きちんと自分の気質や体質と向き合うことが大切です。

気質や体質は遺伝子的な生まれ持つモノですから、誰のせいでもなく、誰もわかりません。顔や声がちがうようにちがって当然なのです。

ただ、少し「生きづらさ」を抱えてしまうことが多いので、どうしてもそんな自分を認めたくない、受け入れたくない、という気持ちが強く働く人もいます。そのようなケースでは、専門家のサポートのもと、自分のすべてを自分が受け入れる「自己受容」から始めるといいでしょう。この気質だから「繊細な人の気持ちがわかる、空気が読める、リスクを早めに察知できる」など能力も高いのです。自分を受け入れたら自分の特性を生かしていきましょう。

 

対策として

①自分を知る。 HSPは病気ではないこと。神経伝達物質「セロトニン」を運ぶ力が弱く、不快や不安などを感じる扁桃体の興奮を鎮める力が弱いため感情をコントロールしにくい状態になってしまうそうです。詳しくはサイト内の「俗にいう不安遺伝子とは」ご覧ください。HSPのある女性は女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けやすく、エストロゲンが減少する月経前は心身のバランスが崩れ不安定になりやすいとされています。それで月経前症候群(PMS)の症状が現れます。

②次に自分の感情のコントロールです。これはトレーニングが必要です。コントロールすることを習慣化するのです。自分の感情をコントロールできるのは自分だけです。自分の言うことなら聴けます。聴きたいと思うことがだいじです。抵抗はあると思いますが、慣れていくことで抵抗は小さくなっていきます。

③具体的な方法。HSPとPMSが重なる場合は専門医に診てもらう。自宅で自分でできることは

朝起きたらすぐに日光に当たる・・・10分でもいいので続けましょう

1日の中で軽い運動をする・・・ストレッチや筋肉を動かす運動を続けましょう

バランスの良い食事をする・・・セロトニンやエストロゲンが増えるように意識して続けましょう

じゅうぶんな睡眠をとる・・・寝る前は考え事をしないようにリラックスできる状況を作り自然な睡眠をとりましょう。

夫やパートナーにも説明して理解してもらいましょう

もし、話そうとしてもケンカになるようなら、カップルカウンセリングなどを受けるようにしましょう。専門家に伝えてもらいましょう。

改善には本人の努力とまわりの協力も必要です。あきらめないで上記のことを継続してみましょう。

 

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