近年増える 熟年夫婦間の殺害事件を読み解く!


熟年夫婦間の殺害事件

2025年10月14日 大阪・八尾市 妻を殺害 80代夫婦、夫が妻の首をパジャマのズボンで絞めた事件

2025年10月14日 宮崎市 夫を殺害 64歳の妻、刃物のようなもので突き刺した事件

2025年10月8日 岩手県山田町 妻を殺害 60代の夫

立て続けに悲惨なニュースが飛び込むと、いったい夫婦に何があったのだろう?と気になります。

どれも事件が起こるまでは、近隣の人たちからは「何もなかった」「仲は良かった」などの声

ではなぜ? ケースによってさまざまな要因があるのでしょうが・・・

 

一般的にはどんな理由でこのような事件が起こりやすい状況をつくってしまうのか?探ってみましょう!

①心理的要因 長年の積み重ねと「限界」

・長年の結婚生活での「我慢」「抑圧」「不満」が蓄積しているケースでは、若い頃は「こどものため」「世間体を気にする」など抑えてきた感情が、老後になり抑えがきかなくなるケースがあります。

・介護や病気による心身の疲労 介護が長期化し、「もう無理だ」と限界を感じたとき、突発的な衝動に至ることがあります。自分も限界「このままでは共倒れになる」という心理が引き金になります。

 

②関係性の固定化・孤立

・閉ざされた二人きりの世界 こどもの独立、夫の退職により夫婦二人だけの時間が極端に増えます。そんなとき、外部との関わりが少ないと感情の逃げ場がなくなり、「小さな不満」が爆発しやすくなります。

・共依存関係 長年「支配する側」と「される側」で成り立っていた関係が、老いによって逆転したり崩れたりすることで、混乱や対立が起こることもあります。やはり夫婦は人として対等でないとね。

 

③介護・認知症をめぐる問題

・介護疲れ・介護殺人 被介護者(介護される人)の暴言・徘徊・失禁など介護者が心身ともに追い詰められ、「ラクにしてあげたい」「自分も終わらせたい」という心理に陥るケース。多くは「悪意」ではなく「絶望」から事件を起こしてしまうこともあります。

・認知症による暴力と誤解 認知症の症状で、怒りや妄想が出やすくなり、夫婦間のトラブルが激化する。受けた方は「介護や世話をしてあげているのに」という気持ちになり自分自身が情けなくなることがあるといいます。

 

④経済的不安と社会的支援の欠如

・年金・医療費・生活費の不安 経済的に行き詰まり「一緒に死のう」といった「共倒れ型」心中事件も少なくありません。

・孤立と支援不足 「誰にも頼れない」「迷惑をかけたくない」という文化的背景が他者への相談を妨げています。頼ることは良いことなのに「頼るは恥」という思考のクセもありますね。

 

⑤文化的・時代的背景 

・我慢・忍耐が美徳とされた世代 感情を表に出すことを避けるため、助けを求めるサインが出にくい。その結果、外から見ると「仲良し夫妻」がある日突然事件になることも。

・「夫婦のことは夫婦で解決すべき」という価値観 他者や専門家に相談する文化が根付きにくいことも原因です。

 

まとめますと

多くの高齢夫婦間の殺害事件は「憎しみ」よりも、「孤立・疲労・絶望・行き詰まり」から生まれる悲劇のように思えます。残念でなりません!

 

対策を考える

・介護や老後の問題を「家族の責任」ではなく、「社会全体の課題」として支える仕組みが必要ではないでしょうか?

・地域や行政、医療、福祉、カウンセリングなどの支援ネットワークへ早めにつなぐことが重要です。

・弱音を吐ける場所づくり サードプレイス(第三の居場所)をつくることが最大の予防策になると思います。

 

いかがだったでしょうか?

いつかは老いていく夫婦、最後までお互いを受容し、助け合い、支え合って暮らしていけるといいですね。そのためには、いつも「満たされている」ことに気づき、当たり前のことに感謝の気持ちを忘れないことですね。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。