乳児期~幼児期のお子さんの悩みにお応えします。
乳児期とは0歳~2歳ごろをいいます。
幼児期は2歳~4歳ごろです。
この時期は人生の第一スタート、とても大事な時期です。
おとなになったら記憶にないと思うかもしれませんが、それは思い出せないだけで、潜在意識(無意識)の領域には、ちゃんと刻み込まれているのです。
だから、とても大事な時期なのです。
そして、将来、おとなになったときの対人関係にも大いに影響します。
もちろん個人差、個体差はありますから、影響の大きさは生まれ持つ遺伝子にもよります。
安全や安心を考えるなら、いちばん敏感なタイプを想定して学んでいただけると後々のリスクは軽減されると思います。
乳児期の悩み
この時期もっとも大切なことは母親(または養育者)との愛着です。
アメリカの精神分析家エリクソンは人生を8つの段階に分け、それぞれの段階にすべき発達課題とその課題を達成できなかったときに陥る危機を提示しています。
それらの課題をクリアしていくことで人間はアイデンティティ(自己同一性)を獲得するのです。(獲得できなかった場合、健全な発達ができないとされています)
アイデンティティとは、かんたんに言うと「私は○○です。こういう人間です」「私はこのように考えます」「私はこうしたいです」「私はこれは嫌です」など、自分を詳しく知って自分の優先するものやそれを決定するときの判断基準など自分で考える能力をもつ。確立するということです。自分の生き方の軸のことです。
これを生まれてから成人していく中の発達の段階ごとに、一つずつ獲得していく。
それをサポートするのが親の役目です。
子育てのケーススタディと重なるところもありますがじっくりご覧ください。
基本的信頼とは
発達の第一段階(0歳~2歳)でもっとも重要で人間関係の基礎をつくるためのプロセス『基本的信頼』を獲得することがこの時期の課題です。
生きていく上で、他者との信頼関係を築くことはとても大切で重要なことです。
それは、人間はひとりでは生きていけないものだからです。
社会という組織の中で集団で生きるように脳のしくみができているのです。
素の人間は他の動物のような牙もなければ毒もありません。毛皮もありません。
無防備な人間という動物がこの世で生き延びていくには、部落をつくり、集団で生きる。
それを学んだのです。そして他の動物とちがうのは脳が発達して知恵をもつことができるようになったのです。それが文明です。
このように人間にとって「社会」「組織」は必要不可欠なものなのです。
ところが、近年、その社会に入っていけないケースが多くみられます。
入りたいのに入れない。学校に行きたいのに行けない。仕事しに行きたいのに行けない。
その理由の多くは「対人不安」です。
こうした現象は現代社会の課題であり、解決には「人間関係づくり」が必要だったのです。
良好な人間関係づくりには「信頼」が欠かせません。信頼が重要なのです。
では、信頼ってどうやって築くの?疑問が湧いてきましたね。
そうです。信頼をつくる、その基礎の基礎がこの時期0歳~2歳なのです。
基本的信頼を獲得するだいじなだいじな時期なのです。
子どもが発するサインを母親が受け取り、それを適切に返すことで子どもの中に母親(または養育者)に対する信頼感を養っていくものです。
赤ちゃんはつねに発信しています。意思を伝えたくてサインを送っています。
脳は日々成長していきますから、赤ちゃんはどんどんわかるようになり、自分の欲求を満たしてもらおうと母親や養育者にサインを送ります。泣き声で送ります。
泣き声にはいろいろなサインがあります。
お腹が空いたよ~、早くおっぱいちょうだい。
オムツが濡れて気持ち悪いよ~、早く取り替えてよ~。
甘えたいよ~、遊んでよ~、もっと目を見てよ~。
このとき母親の態度は安定していて、いつも一貫性を保つことが望ましいです。
安定した気持ちでゆったりと赤ちゃんのサインに気づいて、サインを見抜いて、ちゃんと赤ちゃんの欲求を正確につかみ、欲求に応えてあげること。これがだいじです。
これが「信頼」をはぐくむ行為なのです。
つまり、イライラしたり、ほかのことでの怒りを赤ちゃんにぶつけたり、八つ当たりするなどの態度で接すると、『不信』につながり後々人間関係をうまく築けない大人になることがあります。
それはこの時期母親への信頼がさらに広がってまわりの家族、他人、社会への信頼感を養っていくからです。赤ちゃんの欲求や要求が通って満たされると、満足します。
すると、赤ちゃんは「私の気持ちをわかってくれる人だ、安心していいんだ」と感じ、相手(母親または養育者)を信頼します。この信頼こそが後々の他人への信頼に広がっていくのです。人を信じることは良いことだと脳にインプットされます。
ところがどうでしょう。母親または養育者がどちらかというと鈍感で、赤ちゃんのサインに気づかなかったり、決して悪気はなくても気づかないことに変わりなかったり、または、サインを読み違えてしまったり、または、感情のコントロールがうまくいかない母親または養育者に自分の情緒不安定があったりすると、わけもなく無視したり放置したりすることがあります。そうなると、赤ちゃんは欲求が満たされないまま泣きわめいたり、泣き止まなかったりします。ますます母親はイライラして、ひどいケースになると、ここで虐待が始まります。
この時期に虐待に遭うと脳の発達によくない影響を与えてしまうことも研究でわかっています。
信頼が築けず、反対に「不信」人に対する不信感を抱くようになってしまうことがあります。
もし、これを読んでいるあなたが赤ちゃんを愛せない、子どもをかわいいと思えない、お世話が面倒くさい、など何か課題や困っていることがありましたら、早めのご相談をおすすめします。いつからでも間に合います。相談へ勇気を出しましょう。
当ルームでは、あなたも赤ちゃんもどちらもしあわせになっていただけるよう支援させていただきます。
愛着とは
生後6カ月くらいになると他人が傍からいなくなっても泣きませんが、母親がいなくなると泣きだします。これは特定の人に愛情を形成している証拠で『愛着』または『アタッチメント』と呼んでいます。
愛着(アタッチメント)これもたいへん重要なキーワードです。
それは愛着が対人関係の基礎となるからです!どのような愛着が形成されるのかが重要です。
愛着はみんなあるのですが、愛着には種類があり、歪んだ愛着をもってしまうケースもあります。すると・・・
近年増加している対人不安症、人間関係がうまく築けない子ども、おとなが増えています。
では、どうすればいいのでしょうか?
特定の人とは母親または養育者で、母親または養育者は赤ちゃんにとって『安全の基地』でなければなりません。安全基地とは安心できて無防備でいられる居場所です。
安全基地があるから安心して冒険にいけるのです。冒険とは探索です。好奇心を伸ばすための探索です。子どもはこれで自信をつけていきます。
ところがいちばん好きなお母さんが安全な場所でない場合、安心できる存在でない場合、赤ちゃんや子どもは不安でたまらなくなります。
不安がいっぱいな状態でどうして冒険ができるでしょうか?
新しいものばかりの世界を好奇心いっぱいで前へ進みたいのに、不安で進めない。
すると周りに興味や関心をもてない子どもになってしまうこともあるのです。
ですから、母親や養育者のこころのあり方、接し方、態度は大変重要なものとなります。
決して不安を煽っているわけではありません。
気づいたら、そこからがスタートです。サポートを受けながら良い育児に自信をもって取り組めるようにしていきましょう。
先にも述べたように赤ちゃんがお母さんを求めるシグナルに敏感に気づいて受け止め、正しく反応し喜んで、抱いてあげて愛情と安心をたっぷり与えてあげることが重要です。
それにはいつも赤ちゃんに気を配り、反応をみてやさしく微笑んだり話しかけたりすることです。
手を抜いてはいけません。いま、方法がわからなくても支援やサポートを受けて安心してください。聞くことは「恥」ではありません。誰も悪くないのです。
大切な事を教えるシステムが国策になかっただけなのです。まだ国は取り組んでいただけないようですが、こうした民間の機関で大切なこと、だいじな教えを学んでください。
大切なあなた自身と家族のために。
自律性と自主性
2歳~4歳はとくに規律(ルール)を学びます。
それは、自分の意志で自分の行動を制御できるようにするためです。社会性を身につける第一歩といっていいでしょう。
たとえば、『トイレでおしっこをしたらその後水を流すもの』などしつけるときに『流さなくちゃダメじゃないの!』(強制)というのではなく、『おわったら流すものなんだよ、流してみようか』というように自律性を養う時期です。
ここがポイント!
これが「〇〇しなきゃダメよ!」と強制されたり、失敗を怒ったりすると、自信をなくし、人に疑いを持ち、これが『恥』という概念につながっていきます。
失敗は成功のもとです。人間は失敗があるから学びます。怒らないでくださいね。
ですから、強制ではなくあくまで自主性をうながします。うながす言い方で教えます。
さらに5歳~7歳ごろには自分で考えて行動するという『自主性』を養う時期であります。
たとえば、歯磨き、着替え、などもお母さんが手伝ってあげると達成できないので、手を出さずに自分でやらせましょう。時間がないからといってやってあげることはよくありません。
ここで子どもが達成感を得られないと子どもは『罪悪感』をいだくことにつながるのです。
なぜ罪悪感をいだくかというと、子どもはお母さんが大好きですから、その大好きな母親が怒ったり、がっかりしているのを見ると、子どもは「悪いのは自分だ」と感じてしまうのです。
とくに敏感な子どもはそうです。感受性が敏感ですと、感情が動きます。反応しやすいのです。
そして、意識が自分に向くタイプと意識が他者に向くタイプとがあります。生まれつき。
後者ですと、母親に意識が向くので母親の言葉や態度に敏感になります。
そのようなタイプのケースでは、母親の影響を大いに受けますので、注意が必要です。
われ関せずといった自分に向くタイプでは軽減されることもあります。
しかし、だからと言って、子どもを無視していいわけではなく、いつもしっかり見て子どものこころに向き合ってあげましょう。
向き合うってどういうこと?わからない場合はお問合せ下さい。
お母さんになることは大プロジェクトです。
子どもを上手に社会人にすることは偉業を成すということなのです。すごいですね。
すばらしいことです。やりがいのあることなのです。男性が価値を認めないケースもありますが、そういう社会を変えていきましょう。本当に価値のあるモノ、それが育児です。
共に世の中に周知していきましょう!
つらいよ~、助けて~という方は赤ちゃんのためにも早めに相談に来てくださいね。
ご相談はこちらまで
※参考 きくちみよこ著書 「イキイキ人生をつくる しあわせ思考」
イラスト あさみめぐみ