ストレスとは・・・
「ストレスは自分で作っている」衝撃的ですが85%は本当です。
また、あらゆるストレスの原因は対人関係から起こると言われています。
by アルフレッド・アドラー
それは、私たちは常に他者を意識して比べてしまうからですね。
アドラー心理学の視点からも学んでいきましょう。
ここでは、あらゆる悩み、問題のもとになっている「対人ストレス」と こころ、からだの関係、しくみ(システム) をみていきましょう。
ストレスとは、ストレスという言葉自体はもともと物理学用語であり、物理で使われていた「圧力」「圧迫」などを意味する言葉だということはご存じでしたか。
たとえば粘土でつくったおだんごを指で押すと押したところがへこみ変形しますね。
そのような状態を「ストレス状態」といいます。
このとき、ストレス状態を引き起こす刺激(指でおだんごを押した)のことを「ストレッサー」といい、ストレスはストレッサーに対する反応としての緊張であり歪みなのです。つまり、指で押されて凹む状態をストレスがかかった状態といいます。
しかし、凹むおだんごもあれば、凹まないおだんごもあります。ここがポイント!
カナダの生理学者ハンス・セリエ博士は、1936年、イギリスの雑誌「ネイチャー」誌に「ストレス学説」を発表しました。
そこから、この言葉が広く使われ始めました。
現代社会では私たちは絶えず外部からのさまざまな圧力 (ストレッサー)を受けています。
では、どのようなことがストレッサーとなっているのでしょう?
たとえば、
人間関係・・・職場に苦手な人がいる。
夫婦関係がうまくいかない。
近所つき合いが どうも不得意だ。
仕事関係・・・忙しくて時間がないのにほかにもやることがいっぱいある。
思うように売上が上がらない、責められる。
やりたくない仕事だ。 でも辞めるわけにはいかない、不安だ・・・・・
健康・・・自信がない。
経済・・・先が不安。結婚・・・不安。出産・・・不安。すべてのことで先が不安。怖い。
ほかにもいろいろな圧力(ストレッサー)が日常私たちに襲いかかってきます。
しかし、先ほどのおだんごの説明のように、ストレスを感じやすいタイプ(凹みやすい)と、そうでないタイプ(凹みにくい)があることを知ってください。
人間はそもそも自分のことしかわかりません。誰かの脳の中に入れるわけではないので、誰でもみんな自分の感覚しかわかりません。
自分がつらいと感じることは他者もつらいと感じているのだろう、と推測します。
ところが、先ほどのおだんごのように凹みにくいタイプは「つらい」を感じにくかったり、感じる度合いが低かったりします。
しかし、凹みやすいタイプから見ると「えっ!どうして平気なの?つらくないの?」と疑問に思うわけなのです。
同様に相手から見れば「えっ!どうしてへこむの?なんでつらいの?」となり、お互いが相手の感覚を疑ってしまうのです。それは自分じゃないのでわからないからです。
怒りもそうです。悲しみも、寂しさも、喜びも、みんな人によって、タイプによって異なる感覚を持っています。異なる気質なので相手を「異質なもの」と思ってしまうのです。
この感覚のちがい、反応のちがいから相手を理解できないという気持ち(感情)になることがあります。すると、信頼関係を築くことが難しかったり、築いてきたものが壊れたりします。
脳の構造は同じでも機能はそれぞれ少しずつちがいます。遺伝子情報でちがうので親子でもきょうだいでも異なります。
感覚、反応は、脳の中央部にある視床下部の奥の自律神経系をつかさどる部分で感じて、反応を起こすわけなのです。
何に対して敏感か鈍感か?
自分は、どんなタイプか? 自分の反応のタイプを知るといいですね。
お手伝いはカウンセラーがカウンセリングの中でできます。活用ください。
こころの健康診断
カウンセリングには治療のためのカウンセリングと予防のためのカウンセリングがあります! 年に1度~2度くらいは『こころの健康診断』を受けるといいですね。
毎年お誕生日のころに受けられたらいかがでしょうか? 忘れませんよね。
実に受け入れがたいことですが、病気を起こしている原因は自分の考え方、価値観などによるものだということが 近年明確になってきました。
それが、ひと言でいうと「ストレスは自分でつくっている」ということになるのです。
ストレスは「万病の元」と言われています。
前述のように脳の自律神経系で、イライラ、モヤモヤ、クヨクヨなど「不快」を感じると、自律神経系から神経伝達物質により副腎が刺激され、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールなどのストレスホルモンを体内中へまき散らします。決してコルチゾールが悪い訳ではなくストレスや糖質に反応しやすいので、これによりコルチゾール値が高いと高血糖などを引き起こし、それにより血流悪化、動脈硬化、糖尿病などの原因になってしまうことがあります。コルチゾール値は低くても低血糖でエネルギー不足を起こすので、バランスがだいじですね。
このように、脳で何をどのように感じるかによって、からだの自律神経系、内分泌系にどんな反応を引き起こすのかご理解いただけたでしょうか。
まとめますと、
- それぞれの人間には、遺伝子的な生まれもつ気質があること。何に敏感?鈍感?
- 自分がどんな気質か知ること。
- 敏感に反応するものがわかれば、脳の前頭前野(理論的な脳)を働かせて、理論をもって、自分に言い聞かせをして脳の自律神経系の反応を緩和させる。
たとえば、怖がりなら「安心していいんだよ、大丈夫だよ」と自分に声をかける。
怒りんぼなら「大丈夫だよ、冷静になっていいんだよ」 - 自分と相手、自分以外の人は、みんな感覚が少しずつちがっているけどちがっていい。
ちがいを恐れない。ちがって当然なんだ。と、ちがいを受け止めること。
これはトレーニングが必要です。 - 自分も相手も大切にするコミュニケーションのスキルを身につける(習慣にする)
これもトレーニングが必要です。
過去から習慣になってしまっている自分にとって「よくない思考の癖」思考パターン、その思考が自分にとって、なぜよくないのか、わからないのは当然です。
それを理解して受け入れたとき病気は「予防」できるのです!
◆ストレスから、癌(がん)に
私は自分の母親が大腸がんになったときに言いました。
「知らないあいだにストレスを溜め込んでいたのね。ストレスを感じてしまう考え方があるのを知っている? 見えない先のことを不安に思ったり、過去の失敗を悔やんだり、他人に腹を立てたりしていなかった?」と尋ねました。
すると、母ははじめはそんなことないと否定していましたが、私が心と体のしくみを説明し、否定的、悲観的な考え方が長い年月のあいだに体にどのような悪影響を及ぼすかを話すと納得してくれました。
がんの手術が終わり、もう二度とこんな辛い思いはしたくないと思った母は心を入れ替え、それからは何事も悔やまず、ポジティブに前向きに考えるようになりました。
今では再発もなく元気に過ごしています。(発症78歳、現在85歳)
「病気は“愛と感謝”の欠如から生まれる」と言われています。
ストレスは受けやすい人と受けにくい人がいます。
それも「あらゆるストレスは自分でつくっている」という考え方からです。
自分でつくる、という意味は、「自分の思考が生み出す」という意味です。
ただ、最近では、脳の扁桃体の感受性が敏感か鈍感かで、ストレスの感じ方がちがうことがわかっています。
それは、その人が「出来事」「環境」「対人」などをどのように受け止めるかでそれをストレスと受け取るか受け取らないかが変わってくるからです。
あなたは経験がありますか?「あの人はどうして怒らないのだろう?」自分が怒りっぽいとしたら、怒らない人をみて、そう思いませんでしたか?
こんな事例があります。
知人のAさんとBさん。久しぶりに会うことになり、Aさんは自分の予定を一日空けてゆっくり話をしようと楽しみにしていました。
ところが、Bさん当日になり、ほかの予定が入り、きょうは1時間しか取れないと言ってきました。それを聞いたAさんは「なんだ~、そうなんですね、それは残念だな~」と、素直な自分の気持ちを伝えました。ところが、それを聞いたBさんは、なんと、「残念だなんて言わないでくださいよ。私は責められているようで、あなたにストレスを感じました」と言いました。
Aさんはびっくり驚いてしまいました。ただただ楽しい時間が短くなることを残念だと伝えただけであって、決してBさんを責めていないのですが、Bさんは自分が責められた、自分が時間を短くしたことが罪だと責められたと感じたわけです。
この自分を被害者に仕立ててしまう・・・被害者意識は被害妄想です。
これが対人関係を悪化させます。
ですから、このケースの場合は、Bさんは「そうですよね、残念に思ってくれてありがとう。私の都合でガッカリさせてしまい、ごめんなさいね。次はたっぷり時間取りましょうね」でよかったわけです。
(※トレーニングは一般社団法人家族コミュニケーションサポート協会でおこないます)
まず、自分の性格チェックをしてみましょう。
自分がどんなところに敏感か、いつも何に神経をとがらせてしまうのか?
この関係がわかると、自分の考え方、思考の癖、思考パターンをよい思考習慣に替えて、ストレッサー(原因になる人や出来事)に強いこころ(ストレス耐性)をつくることができます。
ストレスチェックはお早目に!
ご相談はこちらまで
イラスト あさみめぐみ