マウントについて(ご存知の方も多いと思いますが)
1.マウントを取るってどういこと?
相手に対して、自分の優位性を自慢したり、威圧的な態度をとったりアピールすること(行為)をいいます。相手と自分を比べて優位に立てる材料をぶつけてきます。相手を下げて自分を上げる行為で、それで満足します。
もともとの語源は、動物が自分の強さ(優性)を示すために相手にまたがる、登る、といった行為を示す言葉です。よくこんなこと聞いたことありませんか?『子犬をおなかの上に乗せてはいけないよ。犬のほうが人間より上だと認識してしまうからね』人間が主人であり飼い主であることを子犬に認識させるにはお腹に乗せてはいけないのですね。もし乗せてしまうと、犬は人間より自分のほうが優位だと認識してしまうそうです。
2.なぜ、マウントを取りたくなるのでしょうか?
誰でもそうするわけではありませんね。マウントを取る、仕掛ける、自分からそうしてくる人にはわけがあります。決してその人が悪いのではありません。いつも私がお伝えしているように「人」と「事」を分けて考えましょう。行為者(やってしまう人)も自分がなぜそうしてしまうのか分かっていないことがあります。その人が悪いのではなく、その行為が他者を不快にさせたり苦しめてしまうことがあるということなのです。
では、その背景に何があるか?考えていきましょう。
背景に「序列」や「上下関係」を重視する価値観があります。またそれだけでなく、人一倍承認欲求が強い傾向もあります。他者に認めさせたいのです。『どうだ、おれ(わたし)はすごいだろう』と相手に認めさせたい気持ち(欲求)が強い傾向にあります。相手より自分は優れているんだと、上に立ちたいのです。
しかし、その裏には、自分に自信がなかったりします。自分で自分を認めていない、というか、自分を認められないと言ったほうが近いです。え?どういうこと?って思いますよね。
ここが深いところなのです。
絶対ではありませんが、よくあるケースでは、幼児期にはやたら甘やかされて育ち、学童期からおとなになる成育期に親や教師、周囲のおとなから他者と比べられてダメ出しされたり叱責されていた。というケースがあります。子どもの頃に自信をなくしたり自信をつけてもらえないなどがあると、それがキッカケで他者との比較の中でしか自分の価値を見出せなくなることがあります。すると他者との優劣や勝敗でしか自分の存在価値を見出せなくなってしまうのです。
たとえ(仮定の)話で言えば、はじめて生まれた子に親が大きな期待を寄せ、だいじに育てるあまりに親が何でも子の言うことを聞いてあげて欲求を満たしていたが、学校に上がると親は急にほかの子どもと比較して勉強の成績を気にし始めて、テストの点数や通知表の成績で親は一喜一憂し、子に叱咤激励する。というケースがあります。このような育て方に問題があります。すべてそうなるわけではありませんが、マウントにつながることになるのです。
参考 親のあり方
3.どんなことでマウントをとるのでしょうか?
偏差値、学歴、学閥、年収、職業、職種、経験、実績、ステータス、家の大きさ、ブランド物などの高級品とされる持ち物・・・など。
言い方: 『あなたは学校どこ出身?』と聞いておいて自分よりランクが下だと思うと『ああ、あそこね。私は〇〇なんだ~入るの難しかったけど頑張って良かったと今は思っている』 これはさりげないマウントですね。気づかずにやってしまいそうなマウントに注意です。 『おれ、年収1000万超えちゃったよ。おまえは?』『あ、そうか。おまえ契約社員だったよな~』イヤミ。 『この前さ~ 海外行って100万円あっさり使っちゃったよ』さりげなく自慢するのもマウントの一種。 『なにやってんの!そんなやり方じゃダメダメ。おれなんか誰にも教わらなくても最初からきちんとやったもんだ』相手を下げて自分を上げるマウントです。
テレビ番組などメディアも、SNSなどネットの中にもマウントは溢れていますね。それでもう見るのはウンザリと言って離れていく人もいます。
4.マウント取ることは悪いこと?
気づかずにやってしまうことも多いマウントは一概に悪いこととは言い切れないこともありますが、しかし誰とでも対人関係をよくしたいという目的があるならば、敏感な人もいらっしゃるのでしないほうがいいでしょう。
ただ、境目が分かりにくいこともありますよね。いっしょに喜んでもらいたくて「しあわせアピール」したり「成功アピール」「良かったことアピール」することもありますよね。結婚の報告、就職の報告、お祝い事は自慢ではなく、純粋にいっしょに喜びを分かち合いたいだけなのに、それを「マウント取った」と捉えられては困ることもありますね。
それ以外で、あきらかに相手を見下し、優越性や自分を認めさせたい行為はやめましょう。それは、実は自分に自信がなく自分で自分を認めていない証拠になりますからね。
5.マウント取られて嫌な気持ちになったときの対処法
相手がマウント取ってきたら、まず一旦、冷静に受け止めましょう。『〇〇行ってきたんだ~ 〇〇買ったんだ~ すごいだろう』と自慢してきたら『ああ、そうなんだ~』淡々と受け流す。そして聞きたくない話なら、『そう言えば、この前ね・・・』と話を切り替える。
相手が『それでおまえはどうなの?』と、あえて比較しようとして聞いてきたら(サンドウィッチマンの富澤さんふうに)『ちょっと何言ってるかわかんない』と、とぼけて相手の土俵に上がらないこと。対抗して張り合ってしまうと相手はエスカレートしますから要注意です!
ポイントは、相手に「つまらないな~」と感じてもらえるようにする。(どう思うかは相手次第ではありますが)
手ごたえがあると相手はまたあなたをターゲットにして何度でも自分の承認欲求を満たしに来ますからね。
マウントしてくる相手には過敏に意識しないこともだいじです。そして、相手の優越性に対して自分を蔑まないこと、『わたしなんてダメだ』など自分を下げないことがだいじです。
あなたはあなたでいいんです。
きょうはここまで。
YouTube配信でもお伝えさせていただこうと思います。できましたらお知らせいたします。
きょうも最後まで読んでいただき、ありがとうございました!感謝
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