父の日にちなんで
人間にとっての子育てとは何なのか?父親って何なのか?
こちらは、Youtubeミニ講座「父親になる、父親をする」をテキストにしたものです。テキストのほうが頭に入りやすい、読むほうが好き、という方はこちらからご覧ください。
私の尊敬する柏木惠子先生のご著書から人間にとっての育児、父親の存在、いっしょに考えてみましょう!
第一章は、人間にとっての子育てとは何なのか?父親とは何なのか?
基本的なことを伝えています。
他の動物と違い、人間の子育ては自立まで長期に渡り、複雑で困難な課題を抱えています。母親ひとりでは負担が大き過ぎます
(特に責任感が強い、繊細で感受性が豊かであるとかですと、緊張や不安は高まりやすい)
周囲のおとななどたくさんの手で養育することが必要なのです!
そして、女性だから家事育児に向いているとか、母性があるとか、男性だから向いていないとかという「ジェンダー観」で役割を分けることはしなくても大丈夫だったのです!
実は私たち人間には素晴らしい「高次の心理機能」が備わっていたのです。
赤ちゃんは未完成な弱い未熟な他者です、弱いものを放っておけないというやさしいこころ、放置できないという「こころの理論」というものがあったのです。それが「高次の心理機能」だったのです。
ポイントはここ
自分が子育ての「第一責任者」一番手、二番手ではなく主体的であればそれが発揮されるのです。
父親でも女性のような高い声になったり、ゆっくりでやさしい口調になるのです。
こどもの要求に応え、適切で効果的な振る舞いができるのです。
ここが人間の凄いところです。そのようなことを本書では伝えています。
第二章は、父親たちは、いま
国際比較をしたときの「日本の現状」と家族にもたらす影響を伝えています。
男性だってもっともっと子どものそばに居たい、いっしょに過ごしたい!と思っている人は多いんです。ところが男性は育児休業を取りづらい、制度があっても言い出しづらい、言いにくい。その背景には、子育てに無理解・不寛容な人も多くいて、何を言われるかわからないという不安や恐れがあるからなんです。
日本はまだまだ「男は仕事、女は家事育児」という性別分業、ジェンダー観が根強く残っているんです。政府にも企業経営者にも。男女にもあるのです。
そして、私たちにも「性別分業意識」が刷り込まれていて、育児を主体的におこなう第一責任者は母親だ!という考えが無意識にあるのです。口にこそ出さなくなりましたが、まだまだどうしても育児のメイン選手は母親で、父親は2番手に位置づけてしまい、二番手になった父親は消極的で受動的になってしまうんです。夫は「言ってくれればやるのに」といい、妻は「自分で考えてやってよ!」と怒るわけなんです。
そして、夫婦のあり方も欧米では「夫婦中心家族」日本では「子ども中心家族」になってしまう傾向があります。
寝室のちがいがありますね。欧米では夫婦がいっしょの部屋で、子どもには子ども部屋があります。そのままだと夫婦のパートナーシップも薄まります。逆に母子関係が強まり、長期的には家庭内離婚、また母と子で依存し合い母子の自立不全になりかねない、と伝えています。
第三章は 父親として育つとき
母親の育児不安と父親の育児不在の関係
父親が育児不在(父親になったけれど、父親をしていない)だと、母親が育児不安になるケースが多いんです。特に日本では顕著にみられるそうです。
孤独な子育て➡否定的な感情➡不安・不満・焦燥➡虐待・ネグレクトなど不適切な行動をとってしまう
父親育児不在=社会全体でみると出生率低くなる傾向=少子化になるわけなのです。
また、女性(母親)の社会進出(目標達成意欲)への不満 不公平感につながります。仕事にやりがいを見出し社会進出したい女性もたくさんいます。それなのに、育児が始まると男性ばかりが変らぬ生活を続けられて、女性は仕事を減らし家事育児に時間を割いてしまう、それは不公平だ!という声があります。
仕事をしたくてもできない状況に追い込まれると、その達成意欲の向かう矛先が子ども・育児に向かい燃えてしまう母親がいます。すると、母親の教育暴走 先回り育児(過干渉)になるわけです。それは➡子どもの自主性、主体性が育ちにくい、従ってしまう他者に従順な人になるか、または思いっきり反抗的になることもあります。これでは不健全な育児とは言えません。母親も仕事をし、父親も家事育児をすることでこころのバランスが取れるでしょう。
つまり、子どもにとって育児をする父親の存在は重要な他者である、ということが書かれています。
第一章で伝えたように、男性にも「養護性」は備わっているので、一番手ですね 主体的に育児に関われば、子に対してじゅうぶんな応答性と受容性をもつ存在となることが言えます。
また職場においても、仕事だけでは育たない「感情制御能力」=感情のコントロールが身につく、男性の人としての成長になるメリットがあるのです。
もちろん父親だけで、母親の育児不在でも逆に父親は不安になりますから双方がいて周囲にも助けられながら育てていくことが望ましいですね。
終章は 父親をすることが可能な社会へ
かなり世の中はイクメンが定着してきたように見えますが、制度も整ってきているものの、まだまだ男性の育児休業が取りづらい、言いづらい、という現状があります。国も制度を推進しているものの、どうも進まない。
これを可能な社会にするには、国も企業もすべての人の意識の中にある「ジェンダー観」を変えていくことが必要ですと伝えています。
そして、
子育ては「未熟な弱いものに向き合うケア行為」です。何もわからない他者と向き合うこうと、受容する力、共感する力、思いやりの気持ち、接する姿勢、行動、対応する力が身につきます。
これは人間としての男性自身の成長・発達を促すものであり、同時に社会に取っても大きな意義があり、世の中全体のメリットなんです。
働くことも権利ですが、家事育児することも男性の権利なんです!
義務ではなく権利なので行使してほしいですね。
最後に これは私の理想像
人類の持続可能な社会づくりは
スタートは 国を挙げての政策・法制度を変える 社会福祉制度ももっとアップして経済不安をなくす政策を施行する
➡ 企業・経営者も変わる このとき重要なことは未婚の人、子どものいない人に理解と協力を得るために「社会は共同体で成り立っている」ことを認識していただく。そのためには対話を繰り返しおこなうことと同時に見合った報酬を用意する。協力促進待遇にする。
➡ すると 夫婦が共同体として仕事・子育てする こころに余裕 安心 安定 得る
➡ 夫婦円満 子への虐待や夫婦の離婚も減る 少子化にも歯止めが
➡ すると、親の姿をみて 子どもの頃から男女性差なく共同体として、家事も勉強もして家事役割を分担することが当たり前の認識をもつようになる。
こうして持続可能な社会になるのです!
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