こころとからだの関係
人間のこころって、どこにあるのでしょう?
何かを思う。気持ちがうれしくなる、楽しくなる、悲しくなる、つらくなる、苦しくなる、不安になる、“胸に手を当てて思う”と、よく言いますが、思うこと考えることは私たちの脳でやっていることですね。
脳です。
目で見たり耳で聞いたり肌で感じたり、といった感覚は脳で感じ、脳から放出される神経伝達物質によってからだの各神経細胞を興奮させたり、抑制させたりしています。
例えば、きれいな花を見て、匂いをかぐ、するとふわーっといい気持ちになって、こころがリラックス しますよね。
また、それとは逆に会社で嫌なこと(ストレスの素)をされて怒ったとします。
怒るという感情や怒って血圧が上がる状態はストレッサーから引き起こされた反応、すなわち“ストレス”といい、ストレスが大きかったり長く続いたりすると副腎からコルチゾールなどのストレスホルモンが多く分泌され自律神経を刺激してしまいます。
(※合わせて「ストレスケア」も参考にご覧ください)
自律神経とストレス
自律神経は、もともと本人の意識とは別のところで心臓や肺など各内臓器官をコントロールして動かしているもので、いわば「こころとからだの仲介役」であります。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、車でいうアクセルとブレーキの役目をしています。
この自律神経がストレスホルモンによって刺激され、アクセルとブレーキのコントロールがきかなくなり、 血圧が上がったり、肩こり、めまいなど、さまざまなからだの変化としてストレス反応を引き起こすのです。
また、ストレスから免疫力(自然治癒力)が落ち、感染症にかかりやすくなったりします。
この免疫力(免疫細胞たち)も交感神経と副交感神経のバランスによって増減します。
そして体調が悪くなると、こころも落ち込むのです。
こころが先か?からだが先か?ということになりますが、こころもからだもいっしょ、全部自分自身ですよね。 人によっては、他人から同じことを言われても気にする人と気にしない人がいます。まず自分を知ってください。
自分は脳の扁桃体で感じる感覚が敏感なのか?鈍感なのか?知ってください。
そして、自分のこころとからだに負担がかからないことを考えてみましょう。
たとえば、上司と部下の場合や親と子の場合、「やっておいてくれと言っておいたのに、まだやっていないのか!」 と言われたら、こころのなかで「いまやろうと思ったのに~、あんな言い方しなくても」ということありませんか。
ちょっとした言葉の言い方、受け取り方でストレスは溜まりますね。
怒る方も怒られる方もストレスを感じ人間関係を悪くしてしまいます。
怒るというエネルギーはマイナス(負)のエネルギーで、「ストレスを起こすことは自律神経のバランスを狂わせてしまうことなんだ」ということをつねに自分自身が意識することで「だから怒らないようにしよう」とか「怒られないようにしよう」という思考になると自分を守ることができます。
そもそも「怒る」という反応は、自分を外敵から守る戦闘行動なのです。
つまり、怒りやすいタイプは実は「怖がり」だったりします。
なにを言われても動揺せず、言われた中身、内容に焦点を当てることができたら、どうでしょう。内容だけを考えればいいことですね。
しかし、怒りの感情が湧き起るのは、相手の言葉に反応して「自分を否定された」とか「いじめられた」「見下された」などの「〇〇された」という被害者の意識になってしまうことが要因です。
では、なぜ被害者にしてしまうのか?
それは無意識に「ぼく(わたし)は怖がりなんだからわかってよ、やさしく言ってよ」という要求があるのです。
しかし、それは鈍感なタイプにはわかりません。これくらい平気だと思っている相手には到底わからないことなのです。
だから、言いましょう!いやなことは「やめて」と言いましょう。勇気を出して言いましょう。
こころとからだ・・・一心同体です。同時に大切にしてくださいね。