10月の家族へメッセージ


10月の家族へメッセージ

メディアはそこまで掘り下げない!!

なんのこと?とお思いでしょう。いろいろな社会問題(いじめ、不登校、ひきこもり、殺人、自殺、ハラスメント、災害、環境問題などなど)がテレビでもネットでも新聞でも常に取り上げられています。

しかし、時間やスペースの制限がある中で情報を流しているので、ものごとの本質に触れるところまで掘り下げて伝えることができないのです。

それですと、多くの人は「出来事」のみ表面的に捉えてしまうことがあり、社会問題をおおもとの根本的にどのように解決したらよいのか考えないまま情報が通り過ぎてしまいます。あるいは、考えたとしても続きを話し合わないことで、われわれの意識が断ち切れてしまいます。

以前、NHKの番組で土曜日の朝にやっていた「週刊ニュース深読み 2011.4.9~2018.3.24」が私は好きでした。わかりやすい解説で現在の社会問題を深堀りしていきました。あれをみて政府に対して問題意識を持った人も多かったと思います。

代わりの番組として「チコちゃんに叱られる」&「週刊まるわかりニュース」が開始されましたが、実際、社会問題を掘り下げるには時間が足りないと思いました。

私たちは、社会問題の根本的な解決のために、一人ひとりが何をどのように考えていけばよいのでしょうか?

それは、今だけのことではなく、自分だけのことではなく、世の中全体、社会全体が未来に渡って良くなることを目的に考えられる「思考回路」を習慣化していくことではないかと、私は思います。

この場合、「未来に渡って良くなる」という言葉の定義づけが問題になります。

良くなる・・・とは、いったいどういうことを指して言っているのでしょう?文明がもっと発達することですか?人間がもっと便利になることですか?もっとお金が増えることですか?競争に勝つことですか?世界で一番になることですか?

いいえ、そういうことではないですよね。(それをよいと考える人もいます、いていいのですが)

薬で例えるなら、どんなに即効性のある薬でも副作用が強く弊害が出るようでは良薬とはいいませんよね。(ただし必要に応じては使用しなければ命にかかわるケースもあります)

私たちは、情報の溢れる中で、本当に大切なこと、大切なものは何か?本当に忘れてはいけないことは何か?惑わされずによく考える必要があります。

そして、全体を把握できる目を持つことがだいじです。目の前のことだけで判断してしまうと大きな間違いを犯してしまうこともあります。視野を広げて、自分だけで自己完結せず、多くのちがった意見(書物も含めて)を参考にして、いろいろな角度から視点を替えて視る癖をつけていくといいと私は思います。

なぜなら、社会に「ひずみ」をつくらないことが大切だからです。どこに生まれても、どこで育っても、誰の子でも、誰でも同じように人格形成に必要な「こころの教育」を受けられる、そういう社会が必要です。

格差、差別、貧困、ひずみをつくってはいけません。できるだけひずみをつくらない。ひずみは人を変えてしまいます。はじめはそうでない人も人格まで変わってしまいます。見下されたり、バカにされたり、無視されたり、疎外される、それだけで人の人格は変わってしまいます。

なぜなら人は社会とかかわりを持ちたいものだからです。かかわりを持ちたくなくなったときは、既にまわりの理解を得られなくなって、疎外感、孤独感、孤立を感じているときだからです。

人には誰にでもプライドがあり、自己承認欲求があるからです。社会の中で、自分の存在を認められたいという欲求があります。誰にでもあります。人間はそういうふうにできているのです。脳のしくみです。

誰でも安心と満足が欲しいのです。

ですから、それが満たされるように、子どもの頃からお互いがお互いを知る、受け止める、認める、ことが何より必要なことなのです。これには国(政府)の意識改革も必須です。

国は国益優先の施策を取りますから(それも必要ですが)それにより弱い立場に置かれた人たちを後回しにしがちです。しかし、後回しにすると「ひずみ」が起こります。既得権者を優先すれば、いつまでたっても下克上は起こりません。下克上でなくても、できるだけ格差のない、人として対等な待遇で生活ができる社会はつくれないものでしょうか。

私たちは偏差値優先の勉強だけをして、結果重視、効率重視の教育で、だいじなことは何も知らないでおとなになります。何も知らないで結婚します。何も知らないで子どもを産みます。その子どもたちに何も教えず、その子どもが未来社会をつくります。怖いですね。

そうは言っても「背に腹は代えられない」という意見もあります。「いまの世の中がそういうもの(競争、勝ち負け、優劣、金持ち貧困)なんだからそれに乗るしかないんだよ」という人、意見もあります。

そう思ってしまう気持ちも確かにあります。しかし、それは諦めであって、向き合ってはいないのではないでしょうか?ゼロか100ではなく、そういう社会と折り合いをつけながら、変える運動はしていきましょう。

これから未来の社会を創る今の子どもたちには、幼児期、児童期からそうした「こころの教育」が必要です。

気づいた人からいっしょにやっていきましょう!