3月の家族へメッセージ
異動や移動、それぞれの旅立ち 心境をどう受け止めるか？
3月と言えば、年度末、人が動く、物が動く、出発と別れのときでもありますね。みなさんのご家庭ではいかがですか？
子どもは小学校・中学校・高校・大学や専門などそれぞれの道へ、社会人になったおとなは職場の異動・転勤・退職など、またそれに伴い住まいの移動、引っ越しなど活動の拠点を移していくこともあります。
このような場合の家族それぞれの心境（心理）に寄り添うことがだいじです。アクセスしてみましょう。
新しいステージに上がる（進学・就職）
わくわくする期待の気持ちとまだ見ぬ先の不安とが入り混じった複雑な心境でしょう。
期待と不安の気持ちは誰にでも起こりうる感情ですが、ここも生まれ持つ気質によって割合の幅が異なります。わくわく感が大きくてそれほど不安は感じられないよ～という子どももいますが、繊細で人の言葉や態度に敏感な気質を持つ子どもやおとなは期待より不安が大きくなることがあります。
家族（親・養育者）はそうした気質に気づかないことがあります。親子でも生まれ持つ気質はちがうことがあるからです。ちがうと「わたしが大丈夫だから子どもも大丈夫だろう」と安易に推測してしまい、声かけや気持ちを聴くことを忘れ結果的にこころに寄り添っていないことになったりします。ここが課題なのです！
誰も悪くないのですが、そうした知識や情報がない、または関心がないと自ら取りに行かないのでわからないままで子育てをおこない、繊細な子どもから視ると（子ども視点）『なんで親はわかってくれないんだろう・・・わたしはこんなに不安なのに・・・」と考えて、親への不信感につながることもあります。さらに親への不信感はおとなになったときの対人関係で「他者への不信感」にもつながりますから注意が必要です。
また逆に、繊細な気質を持つ親は、子どもが『だいじょうぶだから心配しないで！』と言っているにもかかわらず『でも、だけど、もしこうなったらどうするの？ママの言うこと聞いて』と不安を煽るような言葉がけをしてしまいます。これは親自身が自分の不安をどうにかしてほしくて、子どもに言ってしまうのですが、親は自分の不安は自分で解消することがだいじです。専門家を頼ってもいいと思います。ここに気づいていただきたいですね。
長年居場所のステージを降りる（定年退職・引退）
長年に渡り自分の居場所だった環境を去っていくときは、責任感や義務感を解き放ちホッとした気持ちと寂しさの入り混じった複雑な心境でしょう。
こういう状況も人はそれぞれの気質と経験からかける言葉がちがってきます。成人した子どもが親の定年に『良かったね、これで会社に縛られることなく自由にいつでもどこでも遊びに行けるよね。いいなぁ～ お疲れ様！』などと、今までの働きを労う意味で言ったつもりでも、親によってはこころの中で「収入がなくなってしまう不安があるんだよ、社会から取り残されてしまう孤独感もあるんだよ、役割がなくなる寂しさもあるんだよ」と思っているかもしれませんね。そういう気持ちがあるかもしれないと想像してみてください。こころに寄り添って親の気持を聴いてあげることもよい親孝行ですね。
メタ認知と共感能力
上記に挙げた例題からわかることは、やはり、人間関係においてだいじなことは、メタ認知（自分を自分が俯瞰して見たり客観視する能力）と、相手の気持ちに寄り添う共感能力がとても重要だということがわかりますね。その能力を伸ばすには「人間に興味をもつ」「いろいろな人に接してみる」「心理学を学んでみる」など方法はありますが、一人では難しいケースもありますからやり方がわからない場合は専門家に聞いてくださいね。当相談室でも構いませんし、自分に合ったカウンセラーさんに聞いてみてもいいですね。できるだけ多くの人が「自分と他者は感覚も感受性もちがうから思考も行動もちがうんだ、ちがうから知ろうとする寄り添いがだいじなんだ」と認識していただけるといいですね。
ご家族や友人と良い関係を築いてくださいね。
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