9月の家族へメッセージ


9月の家族へメッセージ

この時期、私たち社会全体で、いちばん意識していただきたいことは「子どもの自殺」です。

私たちの未来を創る大切な大切な子どもたちの命を守りましょう!今できることを考えましょう!

家族だけではなく、家族も学校の先生も企業の社長も町のおまわりさんも病院の医師も看護師さんも介護士さんも栄養士さんも調理師さんも職人さんも運転手さんも弁護士さんも商店街の店主さんも・・・みんなで子どもたちの命を守りましょう!

毎年9月1日前後は子どもの自殺が急激に増えます。

※子どもの自殺者数にかかわる研究 自殺総合対策推進センターより

【対策】

すぐにできる対策 と 根本的な部分に取り組む対策

1.すぐにできる対策とは、まわりのおとなにできることは、『あなたの気持ちを聴かせてほしい』という声掛け運動。

自分から声を出せない子どもたちに、こころを閉じてしまった子どもたちに、こちらから声をかけましょう。声をかけるときの注意は、『聴かせてほしいよ』という姿勢です。

決して『どうしたの、言いなさい!』というのではなく、『聴きたいんだよ、聴かせてほしいんだよ』という姿勢です。

ここがポイントです。人に寄り添うとは、寄り添ってあげるのではなく、寄り添いたいんだよ、あなたに寄り添いたいんだよ、という気持ちで接していくことが何よりだいじです。おもいやりの気持ちです。(大人同士でもそうですよ)

そして、信頼してもらえたら、こころを開いてもらうわけなのですが、ここが難しい。注意が必要です。

こころの中にある不安、不満、疑問、すべてを吐き出してもらえるように時間をかけて、相手の様子を見ながら進めていきます。こちらのペースにならないことが注意です。

子どもが吐き出しているときの注意、それは、まずは絶対に途中で否定せずにじっと聴くことです。聴きに徹してください。

否定せずにという意味は、言葉をさえぎらないこと。言葉をかぶせないこと。さえぎる、かぶせる、これも否定されたと感じますからね。注意です。

親やおとなと考えがちがってもいいんです。ちがうのは当然ですから、まずはしっかり聴いて受け止めてください。聴いている間は親やおとなの考えをいったん停止してくださいね。

一時停止して相手の言いたいことを先に聴きましょう。ここポイントです!

なにより大事なことは子どもの存在を認めることです。

「何より大切なあなた」あなたがここにいてほしい。生きてほしい。学校に行かなくても、勉強しなくても生きていてほしい。生きていてほしいよ、という正直な気持ちを誠実に伝えてください。時間をかけて繰り返し伝えましょう。

そして気持ちが落ち着いてきたら様子を見守りながら、次に、吐き出した子どもの気持ち(感情)や考え方はどこから来たのか?なにをどのように捉えたからそういう気持ちになったのか?をゆっくり時間をかけて問いかけて訊きます。反応によっては戻ってもいいのです。進んだり戻ったりしながらゆっくりゆっくり気持ちを開いていきましょう。

すると、人やものごとの「捉え方」が見えてきます。ここ重要なポイントです!

捉え方に歪みがあった場合は、認知の歪みから自分を自ら苦しくしてしまっているので、それをゆっくり問いかけながら、気持ちに寄り添いながら相手のペースに合わせて掘り下げていきます。

それに修正をかけていくわけなのですが、ここも難しい。子どもとおとなの間に信頼関係がないと、これは難しいですね。

なぜなら、理屈で理解しても信頼がないと抵抗や反抗したくなるからです。すーっと入っていかないのです。

ですから、その場合は、まず、その子どもにとって信頼できるおとなをつくることです。カウンセラーでもいいですね。

厚生労働省の無料相談窓口

2.根本的な部分に取り組む対策とは、社会改革です。経済のしくみから見直すことです。こことつながっていることを無視しては本当の解決にはなりません。

なぜなら、経済格差をできるだけ埋める必要があるからです。資本主義の課題です。競争社会、優劣社会、勝ち組、負け組みなどつくらないことです。やめて、すべての人に価値がある社会づくりをすることです。

すべての価値、存在価値が認められ、価値に対価がついてくることです。

一言でいうと、真面目で正直で誠実な人に利益が回る仕組み、システムづくりを国がおこなうことです。既得権者のみがそれを維持し続けたり、法律の範囲内でもズル賢い方法で利益を得たりする社会を変えることが重要です。なぜなら、格差をつくると「ひずみ」が生じるからです。

お金と人生の関係は無視できません。霞を食べて生きていけません。衣食住のほかに少し余裕のある生活で精神的な充足を求めるの当然のことで人権です。いくら「きれいごと」を並べても生活できなければ気持ちは荒んでいきます。妬みや恨みの気持ちも生まれてきます。妬むなと言っても、ひがむなと言っても、人間ですからそういう感情も湧いてきます。こころない人は「そんなのおまえも頑張ればいいじゃないか!」というでしょう。

そうではありませんね。今の社会では利益がどんどん偏る仕組み(有るところにお金が流れ、無いところにはお金が流れてこない)で回っていますから、仕組みを根本的に変えないと貧富の差は埋まらないのです。

ですから、どんなところに生まれてきても、誰の子であっても、どんな遺伝子であっても、どんな気質・性質をもっていても、誰のせいでもないのですから、社会全体であたたかく見守って育てていく、大人になって働いていける、精神的にも経済的にも自立できるシステムをつくり、優劣で決めない、格差のない社会にすることが、不登校もひきこもりも自殺も他殺も防げることだと私は思います。

不登校新聞