自己受容とは
みなさん、「自己受容」聞いたことありますか?漢字のまま読むと自己=自分、受容=受け入れて取り込むこと、とありますね。ありのままの自分を自分自身がよく理解して認めることです。存在自体を認めること。
自分が自分の存在すべてを受け入れることなのです。良いと思うところも良くない、できていない、こんなんじゃダメだと思うところも受け入れて認めることなのです!
質問『じゃ、自己受容していないっていうのはどういうこと?』
それは、自分のイヤなところ、できていないところ、ダメだなと思う自分を自分が否定している状態を言います。ここです!自分が否定しているんです。本当は自分のことイヤだなんて誰も思いたくないんです。その証拠に乳幼児期はそんなこと感じたことなかったでしょ?
ところが、ものごころついてきた頃4~5歳くらい(人によって違いはあるけれど)から周りのおとなたち(父母、養育者、保育士、親類、近所の人、)が、ほかの子どもと比べて(あるいは自分の子ども時代と比べて)評価してくるようになるのです。そのころからおとなの評価で「自分はいい」「自分はよくない」と自分の評価を始めてしまいます。だから周囲のおとなの発言はとっても注意が必要なのです!!
代々、その評価が子どもの自己受容を遅らせてしまう結果につながるのです。強い自己否定になってしまうことも。
質問『え、どういうこと?』
とくに親や養育者は、その子のために良かれと思って叱咤激励してしまうのですよ。競争心の強い親などはとくに強く言ってしまうんです。将来ことを考えたら今やらせなきゃ、と思ってね。しかし逆効果になることも。
ほかの子を見て『ほら、みんなやってるよ、できてるよ、みんな頑張っているんだよ、あなたもやりなさい!やればできるよ!ほら』こんなふうに追い込んでしまうんです。親は追い込んでいるとは思っていません。気づいていないんです。そこが問題!
比べられた子どものこころは『ぼく(わたし)はできないんだ』『やってもできないんだ』と思ってしまいます。
さらに親は『なんで、できないの!』『なんで、やらないの!』『やればできるいはずよ、わたしの子なんだから』言葉だけではなく親の態度が不機嫌になり、怒った顔、困った顔、こうなるともう大変です。気質が繊細な子どもほど悪影響になります。
子どもはもっと落ち込みます。
もっと自分をイヤになります。嫌いになります。親を困らせる自分はダメな子だと思うことも。
そして、こんな自分はダメだ、生まれてこなきゃ良かったなどと自己否定に陥ります。本当はどの子も親に喜んでもらいたいのですから。親のこころからの笑顔は育児に必須です。親自身が自分のことも受容していて、ありのままの子どもを受容(他者受容)していることが本当はだいじなのです。
自己肯定感とは
ありのままの自分を認めた(自己受容)あとに、自分の価値を肯定することなのです。「自分は価値ある存在である」と思えることなのです!
なので自己受容できると自己肯定感につながります。
質問『でも、どうしてつながるの? だって、ありのままのできない自分を認めたら、もうそれでいいやって思って何もしないんじゃないの?』
そう思っている人いませんか?いますよね。解説します☟
決してダメな自分で生きるとか何もできない自分で生きるということではありません!
本来人間には「こうなったらいいな」という理想の自分がいます。それは赤ちゃんのときから始まっています。寝返りが打てたらいいな~つかまり立ちできたらいいな~歩けたらいいな~走れたらいいな~話せたらいいな~気持ちが伝わったらいいな~ こんなふうに無意識に「こうなったらいいな~」と思う「理想の自分」に近づいていくのです。それを成長といいます。この成長したい気持ちは生涯続きます。
ところが自分の思うような自分にならないと、途端に落ち込み自己否定が始まるのです。
自己否定は自己受容していない自分となります。しかし、できない自分、ダメな自分を『今はこうなんだ』と受容します。ずっとできないわけではないです。『いまは』と区切ります。いま、できていない自分を『いまだから』と受け入れることで、納得のいかない自分を認めて、『では、どうしたらできるのか?』を考えることができるのです。
受容したあとに、赤ちゃんの時から持っている「なりたい自分」に向かって自分のペースで進んで行けばいいんです。工夫は情報を得るところからです。情報は人に頼っていいんです。初めから何でも知っている人なんていませんよね。人から聞いて、見て、調べて得ていきます。
ここがポイント!!
「なりたい自分」の方向に進みたいという気持ちは忘れてしまっています。赤ちゃんや幼児のときの気持ちですから。誰かが思い出させてあげることは必要です。それと人に頼っていいことも!人に助けられて成長するのですから、頼ったり助けてもらうことを「良いこと」と思ってくださいね。
この気持ちさえも否定するようであれば専門家を頼ってください。
ありのままの自分を「ダメなんじゃなくて、いまはこれでいいんだ」と受け入れることができれば、自己受容できたことになります。
ハードルを下げる
次に自己肯定感を得るまでの道のり
そして、自己否定の状態から自己受容するところまで来たら、次は目標を細かく分けてハードルを下げます。上記のように人は理想の自分を目指しています。意識しているかどうかは別です。無意識の中にあります。
その理想までの道のりを細かく小さくして、昨日の自分よりきょうの自分が1ミリでも成長していればいいと思うところからスタートです。
途中、他人と比べそうになっても「自分は自分、愛おしい自分なんだ」と思ってみましょう。命をもらってからずっといっしょの友です。自分が自分の親友です。自分の中にいる自分を肯定してくれる親友に励まされながら進んでいきます。
ひとつ、自分で決めた自分でできたことがあれば、そこで自分を認めます。「よくやった」こう感じたら、それが自己肯定感です。自分で決めたこと、自分でやったこと、それがあなた自身の価値なのです。人の価値とは主体性や自主性、自律性のことでもあります。
こんなふうにして「自分とはなんだ」が明確になってくるともう大丈夫。自分の価値を理解して認めてくれた自分の中の親友とともにずっと生きていけます!
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