心理療法いろいろ – 交流分析


TA(交流分析)とは

TA(Transactional Analysis)交流分析とはカナダ生まれでアメリカに移住した精神科医エリック・バーン(1910~1970)によって創始、開発された、性格傾向とコミュニケーションに関する理論であり、その理論に基づいた体系的な心理療法です。
TAは治療、教育分野だけではなく、企業内のマネージメント・スキル、リーダーシップ能力の開発にも活用されています。

TAの哲学(考え方)

①「人は誰でもかけがえのない存在である」
人は一人ひとりが唯一無二の存在であるということ。

②「人は誰でも考える能力をもっている」
自分で考えることの重要さ。

③「人には自分のことを自分で決める能力がある」
自分のことは自分で決断し、引き受けたり行動することができる自己責任。

どのような人にどのようなために

自分の責任で積極的に自己の改革や啓発をして成長したい方やもっと自分の可能性を知りたい、広げたい方、変わりたい方に自分と向き合い自分を知り「いまここで」の自分の考え方に気づきパターン化した感情・思考・行動を自分でコントロールして変えていきます。

方法

①構造分析→②交流分析→③ゲーム分析→④脚本分析という段階を踏みます。

①構造分析とは性格構造論のことで人間は3つのこころ
(親のこころ(P)、 おとなのこころ(A)、子どものこころ(C))から成り立っていると考えられ、健全な人間とはこの3つのこころを状況に応じて自由自在に出し入れできる人間であるとされています。

親のこころ(P)はparentのP、
厳格さ、毅然さ、批判精神、叱咤激励など父性的なこころ(CP)といたわり、やさしさ、保護、愛育、面倒見るなどの母性的なこころ(NP)の総称を表しています。

おとなのこころ(A)はadultのA
現実状況の判断、 損得勘定、能率性、情報収集などの機能を表しています。
子どものこころ(C)はchildのC、これは2つあり、ひとつは無邪気、天真爛漫、 創造的、自由奔放などを表す(FC)と従順、優等生、よい子、服従などを表す(AC)とが あります。

これらに自我状態(感情のあり方、関連する行動パターン)をあてはめ分析し、個人のなかで起こっている感情や思考、行動の仕方に気づき、理解させるための方法です。

②交流分析とは、対人関係における具体的なやりとりを分析することによって、自分の対人関係の持ち方、特に自分にとってマイナスになる交流の仕方に気づき、より効果的な交流の仕方を検討します。

③ゲーム分析とはゲーム(対人関係のなかで嫌な感情、非生産的な結果につながる特定の交流の仕方)を理解し、他人との習慣化されたやり取りのなかに隠された無意識だけど操作的な意図に気づき、そこから脱するための訓練をいいます。

④脚本分析とは、幼いころ自分で決め、気づかないまま押し進めている「人生脚本」(人生の青写真)を理解して、書き直すための方法です。
人はさまざまな刺激、影響を受けて 成長し、人格を形成していきます。
そして人生の脚本(人生の青写真)は 他人の影響を大いに受けて書かれているのに、自分で書いていると 思い込んでいるところがあります。
TAはそれを客観的に見つめ、人生の脚本を書き直すために自分の意志で再決断したり、自分を育て直すことができる分析方法です。