青年心理カウンセリング


青年期の心理に起きるさまざまな悩み、問題にお応えします。

発達心理学でいう青年期とはだいたい13歳~22歳ごろを指して言いますが、前期と後期ではかなり違いがあります。
そして、青年期の大きな課題は『自分とは何者か?』という問いに対して一生懸命答えを見つけようとするこころの動き(アイデンティティの確立)なのです。

この時期も人生では、とても大切な時期ですから、悩みを一人で抱え込まないで早めにご相談に来ていただくことをおすすめします。
経済的にもまだ親がかりですので、家族カウンセリングの形で課題に取り組んでいただけることを願います。成育歴はいまの課題に直結しています。

青年期(思春期)の悩み

学童期から青年期に変わる12~13歳ごろは第二次性徴期であり、身体的にも機能的にも男らしさ、女らしさが現れ次第に強調されてきます。

この時期は『自分探し』のはじまりで自分自身に関心を持ち、自分を取り巻く家庭環境、両親、親の養育態度、親の期待などをよく観察してきます。そして自分なりの意見、考えなどがムクムク芽を出し、今まで親の言うことをそのまま素直に聞いていた子どもが急に自己主張したくなります。自己を確立するためのプロセスです。よいことなのです。

これは人間の成長では当然のことなのですが、ところが親にしてみれば『いい子だったのに急に親に反抗的になった!』と慌てるのです。焦ります。
どうやら親は自分のその時期のことを忘れてしまっているようです。
最近では「親の子離れ」も遅くなっている傾向があるので思春期の扱いに戸惑が多くみられます。
この時期(中学生)に不登校、ひきこもりの始まりが多くみられます。
最近では小学生にも不登校が増え、中学生の不登校もその兆しは小学5・6年生からあったということが後になってわかることがあります。

防ぐには親は自分の子どもであっても一人の人間として、その人格を認め、自己主張を真剣に聞いてあげることです。決して頭ごなしに否定してはいけません。
たとえ間違ったことを言っていてもゆっくり聞いてあげてください。
説得ではなく、気づきを与えるように対話を重ねていってください。
なぜなら、説得しようとしても、すればするほど相手には抵抗が起こります。
人間は誰でもこの時期になると「支配されたくない」と思うようになります。
それが正常な発達なのです。悪いことではないのです。
この時期、精神的にも非常に不安定でやり場のない衝動にかられる時期でもあります。
大切に思い、愛し、個人を尊重してあげてください。

青年期(後半)の悩み

アイデンティティ(同一性)の確立
これは自己の存在証明、人格における同一性を指しています。
『自分とは何か』を心得、これを確立することは『生きる意味』を知ることです。
最近ではこの確立が青年期になってもできない人が多く、『自分とは何者か?』『自分はいったい何をしたいのか?』がわからない人が増えているのです。
フリーターやニートの増加、30歳過ぎても親のすねかじり、パラサイトシングルも増えています。
これは実は子ども時代に原因があるといわれています。乳幼児期からはじまっているのです。
各時期に獲得する必要な『こころの発達』をしてこなかったことに原因があるようです。
乳児期0~2歳ごろの「愛着」「信頼」
幼児前期2~4歳ごろの「自律性」
幼児後期5~7歳ごろの「自主性」
学童期8~12歳ごろの「勤勉性」
青年期13~22歳ごろの「時間展望」「自己確信」「役割実験」「達成の期待」「同一性」「性的同一性」「指導性と服従性」「イデオロギーへの帰依」
成人前期23~34歳ごろの「親密性」
成人後期35~60歳ごろの「世代性」
老年期61歳以降「統合性」

これらを発達の段階で獲得していき統一された「人格」を形成するわけなのですが、知能とは関係ないところで、生まれ持つ気質によって獲得しにくいこともあります。
たとえば、感情をつかさどる脳の扁桃体が過剰な反応を示すケースなどでは、不安が強く怖さ、恐れに敏感で、そのことから猜疑心が強くなり、対人との信頼を築きにくい要素をはらんでいたりすることがあります。
対人関係の原点である信頼が築きにくいと自分自身に自信がもてなくなったり、すると、積極性など自主性も育ちにくいなど課題を抱えることも多いようです。
早い段階で親はその子どもの生まれ持つ気質に気づいてあげられるといいですね。

気づいたら、対応を変えていくことで、不安を抑制することもできますが、知らずに自分と同じと思い込んでしまうと対応に大きな過ちを犯してしまうこともあります。

このようなことは学校でも家でも教えてもらっていないのに母親・父親になるわけですからわからなくて当然でした。しかしだからと言ってそれが「わからなくてもいい」わけではありません。
あなたが親であるなら、親の教室、親になる教室やセミナーもあります。
ぜひ関心をもっていただき、専門家から学んでいただくといいでしょう。
まずは本からでも読んで学んでいただきたいと願います。

あなたが青年であるなら、そして今、生きにくさを感じているとしたら、専門家を頼っていただければ幸いです。決して「恥」ではありません。聞くことはいいことです!
気づいたときからで遅くはありません。
自分と向き合い、『自分の生きる意味』を見つけ出しましょう。
道は誰にでも必ずあります。この世にたったひとりの大切なあなたですから!

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イラスト あさみめぐみ