11月の家族へ
毎年11月は、児童虐待防止推進月間です。今年も子どもの虐待死など悲しい事件が多く起こりました。
1月には、野田小4女児虐待死事件・・・千葉県野田市、父親から腹を殴られる、冷水を浴びせられるなど暴行を受けていた小4女児が虐待死した事件。
この事件では、2017年11月被害女児の小学校でおこなわれたアンケートに答えた女児の文章が胸に痛く刺さりました。
「お父さんにぼう力を受けています。夜中に起こされたり、起きているときにけられたり、たたかれたりしています。先生、どうにかできませんか。」という内容でした。柏児童相談所では一時保護したものの、その後、加害者である父親にアンケートのコピーを渡すなど、さらに虐待のリスクが高まることを想定できたにもかかわらずおこなっていた。そして自宅へ戻し、虐待死に至った。
2018年の目黒女児虐待事件(結愛ちゃん事件)といい、毎年後を絶たないことに憤りと悔しさと悲しみを覚えます。
また、11月は(12日~25日)女性に対する暴力をなくす運動週間でもあります。デートDV、夫婦間DV、防止推進運動期間です。
夫婦間で起こるDV(ドメスティック・バイオレンス)と児童虐待は深い関係があります。DVが起きている家庭では同時に子どもへの虐待が起きていることがあります。
子どもの見ている前で夫婦間で暴力をふるうこと(面前DV)は子どもへの心理的虐待であり、子どものこころを深く傷つけます。子どもの気質によっては将来に渡りかなり大きく悪影響することもあります。
また、DV被害を受けている人は、加害者に対する恐怖心から子どもに対する暴力を阻止することができなくなることがあります。
例) 夫(父親)が妻(母親)に暴力をふるう。夫(父親)が子どもに暴力をふるう。妻(母親)は夫(父親)の子どもへの暴力を止めようと思うが、自分への暴力が怖くて阻止することができないままでいる。
例) 妻(母親)が夫(父親)に言葉の暴力、ののしり、暴言を吐く。妻(母親)は子どもにも暴言を吐く。夫(父親)は妻(母親)の子どもへの暴言を止めたいと思うが、恐怖心から阻止できないままでいる。
このようなことは、子どもの心身に深く大きな傷を残します。子どもはやがて大人になります。未来社会をつくる一員となります。どうか、子どもは子どものままでないことを、大人になり今の社会を未来へつないでいく大切な存在であることを決して忘れないでください。
子どもはどこに生まれても、どこで育っても、健全に幸せに生きる権利(人権)をもっています。
もしも、当事者同士が気づかない場合、恐怖心から外部へ伝えられない場合は、まわりの人が傍観者のままでいないで、「誰も加害者にも被害者にもさせない運動」をしましょう!
通報は、決して「チクる」のではなく、「すべての人を守ること」なのです!勇気を出して連絡しましょう!
児童相談所全国共通ダイヤル=189番(いちはやく)と覚えてください。当事者の方、家族の方、近所のかた、傍観者の方、あれ?と思ったらいち早くお電話で連絡しましょう。子どもも親もどちらも守るためです。
被害者も加害者も出さない社会をつくりましょう!
それには、男女の交際中、または結婚後、お互いに相手をよく知ること大切です。つき合い、かかわりあいの中で、相手のハラスメント、理不尽な要求、ものごとの捉え方の歪み、認知の歪みなどに気づいたら、早めに専門家に相談しましょう。
本人も「自分の思考の歪み」に気づいていないことも多くあります。第三者を介入させることで二人だけでは解決できないことも解決することができます。そういう意味でも結婚のメリットは自分自身を見直すチャンスなのです!