2018年1月の家族カウンセリング
1.嫁、姑
1月は、年始の挨拶などで、夫の実家へ行くことは多いと思います。あなたのおうちでもそうですか? 普段から良い関係を築いているケースは何も問題ないと思いますが、どうも関係がよくない、結婚当初からよくない、あるいは、ある時を境に関係が悪化した、そういうケースもあります。
あなたはどうですか?
もし、関係がよくないとしたら、どんなふうによくないのでしょう?
夫の母親が過干渉。というケースは、問題のあるケースでよくみられます。 夫婦間のことに口を挟んでくる。夫を子ども扱いする。夫を母親が自分の支配下に置きたがる。夫ばかりか妻(嫁)まで自分の支配下に置こうとする。夫はそれに対して、何も言わない。言えない。言おうとしない。言うことをあきらめている、ように思える。
妻(嫁)は、そんな夫にイライラしてくる。「もっとはっきり言えばいいのに・・・」「嫌なことはイヤだって断ればいいのに・・・」
夫婦関係は悪くないのに、むしろ良好な夫婦でも、いったん夫の母親が入ると、いきない夫婦関係まで悪化する。
こういうケースはよくみられます。
近年では子どもの数が少なく、「ひとり息子」というケースも多いですね。大切に育てた「私の息子」と、思い入れが強くなっていることがあります。
その理由のひとつに、「夫(母親の夫)への不満」があります。母親自身が夫(夫の父親)に不満を抱きながら、息子を育てた場合、息子に強い執着心を抱くケースがあります。(注:もちろん、すべてがそうではありません)
夫(夫の父親)に甘えたいのに甘えられない、頼りたいのに頼れない、愛されたいのに愛されない、など親夫婦に課題があるケースでは、息子や娘に依存する母親がみられます。(注:もちろん、すべてがそうではありません)
もちろん、夫に不満があっても、子どもに依存しない母親もたくさんいます。気持ちが自立している母親です。その場合は、子どもに過干渉にならないことが多いです。
つまり、子どもへの過干渉と自分の自立心には因果関係があるのです。
嫁の立場でいうと、そういう母親(夫の)に出会った場合は、こんなふうに思ってみましょう! 「そうかぁ~、なにかわけがあったのね。寂しかったのかな~。ひとりで頑張って育ててこられたのかな~。」
冷静に客観的に、こんなふうに思うことができると、ちょっと見る目が変わってきませんか?
あなたはどうですか?
本来、親というものは、「子どもは社会の子」として認識し、私物化しないこと。
やがて社会の一員として社会を構成していく大切な存在なんだと、広い意味を持って育てると、必要以上に執着することはありません。
なぜ、そういう考え方が良いのか? なぜ私物化はしてはいけないのか? なぜ支配してはいけないのか? もっと深く知りたい方は、ぜひ当ルームへご相談に来ていただければ幸いです。
親になるための「教育の場」「心得の場」がないので、そういうことに気づいている人と、未だ気づいていない人とがいます。混在しています。これは仕方ないことなのですが、少しでも多くの方に知っていただくこと、気づいていただくことが社会の課題なのです。
知らないこと、気づかないことが決して悪ではありません。怒ったり、イライラしたり、排除したりせず、知っている人は、できるだけ多くの人に伝え続けるだけでいいんです。伝えるときは、上から目線ではなく、謙虚に伝えましょう。
おごることなく、対等な人間同士として、伝え続けましょう。
「あそこにおいしい店があるよ!」と飲食店などは、口コミが広がりますが、「こんなに良い考え方があるよ!」というのは、なかなか広まりません。
それはどうしてでしょう?
日本では「自分の考え(意見)をきちんと伝える」という習慣がなかなか定着しにくい環境がありました。いまも地方になればなるほどその傾向がみられます。
日本は長い間「タテ社会」でしたし、家制度もあり、家長といって家の中で一番年上の男性に権力が集まり、家族を支配していたのです。そういった習慣が代々脳に定着して固定観念となっていると、それを覆すのは困難なことです。
現代ではその支配権が「母親」になっているケースもあるのです。 そうした場合、やはり母親の息子への支配、息子を自分の思い通りに動かしたいという過干渉につながってしまうことも起きてくるのです。
親と結婚するわけではないので、結婚前にそれに気づくことはなかなか困難です。
夫でさえ、なにもわからずに結婚してしまうことも多いので、その親の価値観や考え方、習慣はもっとわかりませんよね。
なので、そういうケースに出会った場合は、あなたの受け止め方を少し冷静に客観的に捉えてみるようにしましょう。
あとは、コミュニケーション能力をアップしましょう。 怒ったり黙ったりせずに、きちんと義母(夫の母)にも伝えたい気持ちを伝えましょう。スキルアップが必要な場合は聞きに来てくださいね。
2.嫁、舅
舅とは夫の父親。嫁・舅の関係で悩まれている方もいます。嫁・姑よりはずっと少ないのですがあります。
ひとつには、嫁を支配しようとする父親。嫁までも自分の子であるかのように勘違いをして、権力を振りかざし、自分の思いのままに動かそうとします。家族旅行の予定など、こちらの都合を聞かずに決めてしまったり、事あるごとに召集をかけ、来ないと怒る。思うようにならないと怒る、怒鳴る、そういうタイプもあります。
ひとつには、嫁にセクハラする父親もいます。
その場合は、きちんと気持ちを伝えましょう。 嫌なことはしっかり断りましょう。 断ることは人権です。
結婚とは、昔のように「家に嫁ぐ」わけではありません。「家」と結婚するのではなく、自分の意志で自分が決めた人と新たな独立した家庭を築くために結婚するのです。
昔の家制度は、産業が農林水産業が主であったことと、国の社会制度がしっかりしていなかったために、育児も介護も家族間で補い合うしかなかったことが背景にあります。 今とは環境がちがうのですが、「思考の習慣」だけが、残っていて正当化しようとする人がいます。 しかし、ちがうことを伝え続けましょう!
3.自分の親との関係
この関係がよくないと、これは、結婚前からの課題であったりします。むしろ、関係が悪いことから「結婚に逃れる」というケースがよくみられます。
家にいたくないから、行き場を求めて結婚した、というケースでは、結婚することで自分を取り戻し、イキイキと生活できるケースもありますが、自分に課題があった場合、今度は相手が親から夫に移っただけで、なにも解決しないこともあります。そうしたケースでは、夫との関係が悪化し、実家にも戻れず、苦悩することがあります。
その場合、やはり自分自身の内面としっかり向き合い、自己の成長を望むといいでしょう。
他者との関係をよくするには、まず、その前に自分との関係をよくしましょう!
どういうことかというと、つまり自分の中に「自己矛盾」はないか?ということです。
「〇〇したい」のに、〇〇できない。
「〇〇したくない」のに、やってしまう。
「〇〇もしたくない、△△もしたくない」なにがしたいのかわからない。
自分の主体性、自主性を考えてみましょう。
自分の考え決断していますか?
自分の決断で行動していますか?
思考力、判断力、解決能力、これらに課題がある場合は、早めにご相談ください。
いっしょに育てていきましょう。