6月の家族へメッセージ


6月と言えば、日本は梅雨の時期ですが、欧米の「ジューンブライド」を真似て、日本でも結婚式を挙げるカップルが多いですね。
とは言え、どちらかと言うと「妻」になる女性からの要望が多いようで、男性は6月に拘ることなく「どっちでもいい」という人が多くみられますね。

結婚を決めるときや、結婚式、新居、生活をはじめるスタートの時点では、結構女性に主導権があるようです。
ラブラブのときは、互いに相手の気持ちをおもいやり、譲り合うことができていますね。相手を失いたくない、失うことが怖いからです。
その気持ちを忘れずにずっと持ち続けていただくと良いのですが、・・・

ところが、1年も経たないうちに男女ともに横柄になり、相手への不満ばかり言い始めます。
(そうでないカップルもありますが・・・)

それは「慣れ」です。

慣れると「地」が出ます。「地」とは、素地や習慣、価値観、自分がこれまで生きて来て「これでいいんだ」と思った観念や常識と思われるものです。
これらは生まれ持つ気質と育ってくる間の環境、まわりにいたおとなの考え方、価値観、教えられた常識などで形成されたものですね。

ひとりで暮らしているときは、相手との価値観や習慣がちがっても、それはそれでいいのですが、夫婦になって二人が一緒に暮らし始めると、日常生活のすべてが目に入ってきて、お互いに自分と異なる部分、ちがいにどんどん気づき始めます。

さあ、そのときにその「ちがい」を自分の中でどのように捉えて、どのように受け止め、どのように処理していくか???
これが夫婦のはじめの試練です。

夫婦とはここからがスタートと言っても過言ではありません!

夫婦のちがいの乗り越え方!

妻 『私はこんなに彼に合わせてあげているのに・・・・なによ!』

夫 『誰が合わせてくれって?!そんなに怒るなら、おれは別に合わせてくれなくてもいいよ!』

これでは、ちがいを乗り越えていくのは困難ですね。

乗り越えるには、まず初めに、お互いに自分と異なる部分をできるだけ理解しようと努力します。わかりっこなくてもいいんです。わかろうとする姿勢。わかりたいという姿勢。相手を「知りたい」と興味や関心を持つことなんです!

ここで、興味がないとか関心ないからいやだ。面倒くさい。という人は結婚に向いていない傾向があります。

自分とのちがいに『なぜ?相手はそういう考え方を身につけたのか?』と、そこに至った経緯を知ることはだいじです。

次に、「合わせる」とか「迎合する」ということの重要な落とし穴は、表面だけで合わせていると、自分に嘘をついていることになるので、いつか爆発します!

ですから、もし、相手に合せたいと思うのであれば、表面だけで合わせるのではなく、合わせる意味を自分の中にきちんと落とし込むことがだいじです。ここポイントです。

もちろん、合わせたくないことは、はっきり自分の考えを言って、合わせなくていいのです。

ところが、「合わせないと嫌われちゃうかな???」と、嫌われることが怖いという考えで、合わせると自分の中に矛盾を起こし、それが葛藤となり、葛藤はストレスですから、イライラしてきて、蓄積されるといつか爆発します!

おそろしいですね。

ですから、私が常々お伝えしたいことは、おつき合いしているうちから、きちんと自分の考えや価値観を自分の言葉で表現して、それで、相手が合わないと思ったのなら、それは、それまでの関係だったということで終わりにしていいんです。

そうやって相手を探していくことがだいじです。

ところが、恋は盲目!

恋に恋していたり、恋心が勝手に相手に対して良い想像を繰り広げ、ドラマの主人公のように夢を見ているときには、相手との価値観のちがいなど目に入らず、気が合うところばかりに注目してしまうので、自分の「これだけは譲れない」を出しそびれてしまうのです。

夫婦になって、あるいは同居して、はじめてわかった!ということになるのです。

多くはそうして結婚生活に入るわけですが、ちがいを許し合える関係なら良いのですが、どうしても譲れない、どうしても許せないとなると、離婚に至ることもありますし、経済的に離婚は不利だと考えると、ののしり合いながら不満を抱えたまま生活が続くケースもたくさんあります。

ののしり合いながら不満を抱え、ときに爆発させ、ときに無視をする、このような関係が続くと、ストレスで健康を損ないますし、子どもがいるケースでは、子どもの人格形成によくない影響を与えます。子どもに未来を失望させることにもなります。

その子どもがまたおとなに成り、親を真似して同じような夫婦の関係を形成してしまうこともよくあります。

反面教師にして、「わたしはこんなふうになりたくない」と思って、そうならないケースもありますが、無意識の中に映像がインプットされているので、ふとした瞬間に親と同じような言葉を使っていたりして、ハッとすることもあるでしょう。

なので、アサーティブなコミュニケーションが大切で、思春期からそのような良いコミュニケーションをトレーニングしておく必要があります。

とは言え、いまの日本では、まだまだコミュニケーションの教育が行き届いていないため、環境による格差があります。

また、現在のおとなたちは世代間連鎖で、50年も100年も前の「言わなくてもわかるようになれ!」というようなノンコミュニケーションの教えを受け継いでいる人たちもたくさんいます。

なので、家族相談室で、良いコミュニケーションの仕方を学んでいただいたら、その日からトレーニングを積んでいただき、ご夫婦の健全な良い関係を築いていっていただきたいと願います。

 

これを読んで、気づいた方は早めのご相談を!