年間でいちばん増える登校拒否と不登校
みなさんは夏休みに入るときの気持ちと学校が始まるときの気持ちにはちがいがありましたか?
夏休みに入るときは解放から「ふぅ~」と力が抜けてホッとしませんでしたか? 逆に休みが終わって学校が始まるときはキュっと心身が引き締まる気持ちになりませんでしたか?どんな気持ちだったかは個人差がありますが一般的にはちょっと緊張する傾向があるようです。
9月にはお友達や仲間、先生と会える楽しみもあります。わくわくする。楽しい気持ちになる子どもも多いと思います。対人関係が良好であると生活そのものが楽しくなりますね。または家がつまらない、たいくつだ、食事がおいしくないなどのケースで、早く学校に行きたいと思うことがありますね。
しかし、学校が待ち遠しい子ばかりではありません。登校拒否と不登校ではそれぞれの意味する「定義」がちがいますが、欠席になってしまうことには変わりません。
なぜ9月に多い?
何ごとも復学、復帰、復活、復縁、復職、復興などなど「復」や「再」がつくものは、力が入るものです。よい意味で『よしっ!がんばるぞ』なんていうときも緊張が走ります。長い休みのあとに学校に再び通い始めるわけですから9月はちょっと大変なんですね。
新規の4月とはまたちがった意味の緊張があります。夏休み前までがどうであったか?がとても重要になります。
登校拒否では心身は元気でも学校に行きたくない、気分が乗らない、学校に行く意味がわからない、など「自分の意思による選択」が感じられます。
一方、不登校はイジメや嫌がらせ、仲間外れなどから本当は学校に行きたいのだけれど行けなくなってしまったことを表すので、「行かない」と「行けない」のちがいがあります。
しかし、ここで注意することは、一見、登校拒否に思えるものでも、もしかしたら強がって自分の意思のように見せているケースもあります。本当は学校で孤独を感じている、孤立している、などから行きたくても行けない「不登校」のほうかもしれません。ポイント!
定義はちがっても、私は「子どもの本心は誰だって学校に行きたいんだ!」と思うようにしています。集団の中に入りたいと思うのは人間の欲求(社会的欲求)ですからね(マズローの欲求五段階説)
登校しぶりがはじまったら
親は焦らないことです。
しかしそうは言っても『頭ではわかっているんです。でも、このままこの子が学校に行けなくなってしまったら・・・と思うと不安で不安で焦らずにはいられません』という親(保護者)は多いです。不安な気持ちから怒ってしまった。怒りの奥には親の心配な気持ちがあったのです。
そうですよね。そんなに簡単に感情をコントロールできないですよね。なので、①不安や焦りをいったん受け止めましょう。
無理に抑えようとしないで、感じた不安を受け止めてから ②『ああ、わたし、よくない想像をして不安になってしまったんだわ。だから早く行かせなきゃと思って焦って、つい怒ってしまったんだわ』と客観視しましょう。
なかなか客観視が難しい場合は、家族に『自分を外から俯瞰してみて~』と言ってもらいましょう。気づかせてもらいましょう。(すぐにカウンセリング受けていただくことはベスト)
親の心理 子どもの心理
親にもいろいろな考えや価値観の親がいますから一概には言えませんが、「困ったな~どうしよう」がどんどん強くなってしまう親の傾向としては、親自身が困っているのです。
本当に困っているのは子どもです。困っている子どもの気持ちに寄り添えず、自分が困ってしまう。耳の痛い話ですが、また難しいことですが、それでもあえて言います。
困っているのは子どもなんです。ですから、親が困ってしまっては子どもの気持ちはますます混乱してしまいます。やさしい子どもは自分が親を困らせていると感じて落ち込んでしまいます。
子ども自身もどうしていいかわからない苦しみとつらさの中にいるのに、親までが「行かないと私が困るのよ」と言わんばかりの態度や表情を見せてしまうと、ますます子どもは「行けない自分」「行かない自分」を責めてしまい、自暴自棄になることもあります。
ここで必要なのが「共感性」ですね。
親は自分のこと(立場、体裁、世間体)よりも、子どもの気持ち(行きたいけど行けない)に寄り添ってあげられる共感能力を発揮してください。
寄り添う声掛け、話し方はトレーニングも必要になることがありますが、具体的スキルは専門家に相談しましょう。
脳のつくり(脳梁の大きさと形状)から一般的に女性の方が共感能力は高いとされています。
しかし、もしそれ以上に不安が強い気質をもっているとしたら、子どもに共感する余裕がなく、自分の不安でいっぱいになってしまうケースもあります。
不安な顔で『どうしたの、何かあったの、言いなさい!!』なんて言ったら子どもはますます言えませんよね。難しいですよね。
子どもはお母さんが大好きです。繊細な神経をもっている子どもほど、親の顔色を見ています。どう思われるかを気にしてしまうのです。『こんなこと言ったらもっと心配するかな?言えないや』と考えてしまうことも。
「心配だから怒る」はナシです!
心配だったら⇒ 寄り添う◎ 共感する◎ 見守る◎
寄り添い方は専門書にも書いてありますが会って話した方がロープレもできてわかりやすいので、当相談室でもほかでもいいので聞きに行ってくださいね。
なかなか冷静になれない場合は、専門家へ早めのご相談がいいですね。一ヶ所ではなく何か所か行ったほうがいいですね。カウンセラーによってちがいがあります。一ヶ所で良いアドバイスをいただけるとは限りませんから、何か所か相談して共通しているものを取り入れてみてください。
※参考
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