大きくなっても子どもを守ろう!
みなさん、お元気ですか? 朝夕が涼しくなって寒暖差に体調を崩している方も増えているそうです。
今月のメッセージは、NHKでも取り上げていた「デートDV」からのストーカーへ移行に注意!
デートDVとは
交際相手、または元交際相手からの暴力のことを言います。性別を問わず(男性から女性、女性から男性)暴力行為があります。暴力というと殴る蹴るをイメージすると思いますが、それもDVです。しかしそれだけではありません。
いわゆるモラルハラスメントのように、相手を見下し、人前でバカにしたり、携帯電話のLINEやメールをチェックして行動を監視するなどの精神的暴力、性行為を強要するなど性的暴力もDVに含まれます。
3つの暴力形態 1.身体的暴力 打つ 蹴る 殴る 髪を引っ張る 引きずり回す 首を絞める 物を投げつける 2.精神的暴力 怒鳴る 無視する 人前でバカにする 金銭借りて返さない 束縛する 拘束する 3.性的暴力 拒否しても性行為をする 避妊に協力しない 嫌がるのに裸の写真を撮る 中絶させる
子どもの様子に気づこう
思春期になると親とはあまり口をきかなくなることがあります。
それは健全な成長の過程で、思考能力が発達し主体的な考えが芽生え「自分とはこういうものだ」というアイデンティティが確立しつつある中で、自立に向かって起こる葛藤や不安から起きる行動です。
そして、その葛藤や不安や戸惑いを軽減するために仲間と一緒にいたいと思うようになります。っ複雑な思いを共有したいのです。それが思春期なんです。
そういう気持ちを理解してあげて、そっと見守りましょう。口や手は出さずに気持ちに寄り添うことです。親はいつまでも小学生の低学年のような扱いはしないことです。心配ばかりすると、それは信じてもらえていないと子どもは感じ取ります。
つまり、親の心配は子どもにとって『あなたは子どもを信じられないのね』というサインになってしまうのです。事実『もしこんなことになったらどうしよう・・・』という親の気持ちは親の保身が無意識にあるからなのです。本当に困るのは子ども自身ですからね。
親は何をすればいいの?
何をするというより、してはいけないことをしっかり覚えてください。
その上で、親に求められるものは、傾聴能力と受容能力です。静かに子どもから打ち明けたくなるような話したくなるような親になることなんです。小さい時からですよ。
ずっと口うるさい、お節介、過干渉、過保護だと思春期になる頃には、子は親に「もううんざり~」『いいから放っておいてよ、もううるさいな~』となってしまいます。
こうなると、ますます外での友人や仲間たちとの関係が深くなっていきます。そうなんです。家に「敵対するもの」がいると外に味方を求めてしまうからなのです。
親は『そんなつもりじゃない!なに言ってるの!どんなに心配してると思ってるの!』と怒るでしょう。こうなるともっと悪循環です。親の弁解は無用です。
叱らずに聴く
子どもの行動がどうもおかしい。なにか後ろめたそうだな~と感じたら、やさしくしてください。叱らずに子どもが何かを言い始めたら黙って相槌を打ちながらしっかり聴いてください。途中で口を挟まないこと!子どものペースで『話したくなったらいつでも聴くよ』という姿勢でいてくださいね。
問い詰めないこと
子どもが少し事実や出来事を話し始めます。それを知った親はびっくりして慌てたり焦ったり『どうしよう!!』って思ってしまうんです。すると不安と怒りのまじった顔で、尋問のような問い詰めがはじまります。『それで、どうしたの? それからどうなったの? なんで早く言わないの!!』すると子どもは貝のように口を閉ざしてしまいます。不安なのは子どもの方なのに、親がそれ以上に自分の不安をどうにかしてほしくなるからです。親は尋問のつもりはなくても子どもからみると尋問なのです。いちばん不安でいちばん困っているのは子どもなんだ、ということを忘れないでください。
もし親にも誰にも言わなくなってしまったら、子どもだけの判断で相手の『言うことを聞かないと怖いから聞かなきゃいけないかな?』『断ったらもっと怒るかな?』『相手は好きだって言ってくれているし』などと思ってどんどん深みにはまっていきます。
そして、どうしようもなく耐え難くなったときに逃げ出す、遮断する(LINEを無視、削除など)と今度はストーカーに変身する可能性があります。別れを切り出すと豹変します。とても不安だからです。加害者は愛だと言っていることは愛ではなく自分の強い不安を相手に和らげてほしいからなのです。それを失うと憎しみや恨みになるのです!
DVする側の心理
では、なぜそのような関係になってしまうのでしょう?ここです。これが根本的な予防につながるのにメディアでは取り上げられません。いろいろ弊害があるからでしょう。しかし多くの人が知っていていただくことは必須です。なぜなら殺人にまで発展するからです。
する側は二人の距離が縮まると、自他の区別がつきにくくなる傾向があります。一体感、同一感、それほど依存的なのです。それは成育歴に関係しています。だからと言ってその環境の人がすべてそういうわけではありません。決してそうではありません。ここだいじです。
いま、学者の研究でわかっていることは、愛着の歪みです。
生まれ持つ気質と環境が合致してしまったときに起こるのかもしれないと私は思います。しかし誰にも予測できません。疑いはいけないことだからです。疑いにはリスクがあります。必ずしもそうなるとは限りません。
だから、できることは両親だけでなく周囲の大人が関わる権利を持つことだと私は思います。
以前から伝えているように「子どもは社会の子」という意識を国(政府)がもつこと。これがだいじです。誰でも妊娠して出産できます。だからこそ、生まれてきた子どもは「社会の子」として国が育てるシステムをつくることが必須だと私は思います。
子どもに罪はない。親にも罪はない。どのような脳のシステムかは誰もわかりません。また誰にでも妊娠や出産の権利もあります。人権があります。
だからこそ、誰も加害者にも被害者にもさせない運動が必要です。政府の力が必要です。
守るには
連携です。まわりとの連携をとりましょう。デートDVする側の親、学校の先生、警察、DV専門相談所、ひとりで抱え込まない。親も抱え込まない。『こんなこと周囲に知られたら恥だ』とか、体裁や世間体を気にする、そういう考えが最悪の事態を招くことにつながります。その考えをやめましょう。他人の目を気にするより我が子を守りたいなら、学校も警察も巻き込んで助けを求めましょう。
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