DV(ドメスティックバイオレンス)までではないけれど〇〇〇と感じている方へ


毎年11月12日~25日は「女性に対する暴力をなくす運動」の週間です。

近年は「男性に対する女性の暴力」も増えているように思います。DVは家庭内の暴力、または親密な関係の間の暴力を指しますので、女性が男性に暴力をふるうこともDVです。

どちらにしても暴力(いろいろな暴力)はよくないです。なくしたいですね。暴力をふるってしまう側も『本当はそんなことしたくないんだ!』と思っているケースがほとんどです。

そうなんです。行為者(暴力をふるう側)は『暴力なんてしたくないんだ。だけど気がつくとやってしまう自分がいる!』と言います。だからと言って、決して暴力をふるっていいわけではありませんね。いけません。

「暴力という行為」そのものはやってはいけない行為です。

「したくないけれどしてしまう」という心理には『相手がさせている』という受け身の捉え方が働いています。出来事をどう捉えるか?なのですが、『相手が言うことを聞かないから、仕方なく暴力をふるった』などと言い訳をするケースがありますが、これは、その出来事に対して「解決の方法がわからなくて暴力という手段を使った」と分析できます。

本来であれば「暴力は使わないこと」がコミュニケーションの大原則ですから、暴力以外の方法で問題の解決を図ることになります。対話です。ところがその方法がわからない。この場合は第三者の介入、できれば専門家に介入してもらうことをおススメします。対話には技術(スキル)が必要なこともあります。

また『おれ(わたし)は殴っていないから暴力じゃない!!』と思っているケースもありますが、次に示すように暴力には種類があります。

暴力には種類があります。

1.身体的暴力: なぐる、ける、たたく、物を投げる、髪を引っ張る、など他にも身体を傷つける危害を及ぼす行為。

2.精神的暴力: 無視する、怒鳴る、罵声を浴びせる、理詰めでたたみかける、などモラルハラスメントも含まれます。など精神的に追い詰める行為。

3.経済的暴力:夫または妻がどちらかが収入をすべて管理していて夫または妻にまったく生活費を渡さない。もしくは明らかに不足する額しか渡さない。など経済的支配による行為。

4.社会的暴力:夫または妻の交友関係を監視・制限する。電話・メール・LINEなどSNSを細かくチェックする。許可なしで外出させない。など社会的な行動を制限する行為。

5.性的暴力:相手が望まない性行為を無理やり強制する行為。

6.こどもを巻き込んだ暴力:子どもに暴力している様子を見せる(子どもの前で罵声を浴びせるなど)子どもを危険な目に遭わせる。子どもを使ってものを言う(子どもを介して自分の言いたいことを相手に伝える)など子どもの精神発達の健全化を妨げる行為。


このように暴力行為と言ってもその形・表現はさまざまですから自分だけで是か非か判断せずに周囲の人に相談しましょう。誰も相談する人がいない場合は当方へお問い合わせいただくか、公共の相談窓口へ連絡してください。

全国共通電話 #8008   

DV相談プラス  0120-279-889   

DV相談ナビ 0570-0-55210

 

近年は2.の精神的暴力が増えています。男性から女性へ、また女性から男性へ、どちらも増えている傾向にあります。これは見えにくいですね。おもに言葉の暴力ですから。

言葉は「毒」にも「薬」にもなります。いっしょにいたいなら薬になる言葉を使いましょう。(わからなかったら聞いてください)

 

 

DVをやってしまう行為者の背景

その背景には「社会における男尊女卑の残像」があるとされています。日本は長い間、男尊女卑の考え方が定着していました。また男性の中にも格差や差別があり「人権」を尊重する教えが欧州に比べて大変遅れています。

家制度にしても1947年に廃止されているにもかかわらず、未だに本人の意思を無視して「家督を継がせる」などの言動が支配している場所もあります。私(68歳)より若い年代でも両親や祖父母の影響(男尊女卑)を受けて差別的な発言をしているケースもみられます。つまり年齢でも性別でも職種でも収入でも、それらに関係なく加害者になってしまうことがわかっています。

加害者自身も子どもの頃に両親のDV現場を何度も見て、その影響を受けDVの連鎖に陥っているケースもあります。子どもに与える影響の大きさ、罪深さを物語っています。

社会的信用があり他人には一見寛容に見える人でも、家庭では説教などモラルハラスメントを気づかずにやっているケースも多くみられます。このようなケースでは被害者側の妻(または夫)は親や周囲の人に訴えても『そんなことないでしょ、だっていい人じゃない。地位も収入も高いじゃない。文句言うなんて贅沢よ』などと否定されてしまうこともあります。こうなると「されている側」はたまりません。さらに疲弊して抑うつ状態になることもあります。

早めのご相談をおススメします。

被害を受けている方は逃げたくても逃げられない理由

DVを受けていない人から見ると『なんで逃げないの?』『なんで別れないの?』と疑問に思うこともあるでしょう。いちばんは恐怖感です!人間は連続して恐怖を与えられると身動き取れない状況に陥ることがあります。

それはいろいろと一人で考え(想像)てしまうからなのです。

『逃げても見つかって殺されるかもしれない』恐怖感

『助けてくれる人もいない、どうせ夫から離れられない』無力感

『子どももいるし、仕事だって辞めるわけにはいかない、環境を変えられない』あきらめ感

『それに私が悪いから暴力を振るわれるのだわ、私が変わればいいのかもしれない』『夫だってすべて悪いわけじゃない、またもとの夫に戻ってくれるかもしれない』現実から離れた期待感

『また酷いことをされた。やっぱりDVなのかしら・・・でも』

誰にも相談せずに一人で抱えてしまうと、このような思考をループさせてしまい脱出できなくなります。DVかな?と思ったら早めにご相談ください。

※法律で守られています。ドメスティックバイオレンス防止法(DV防止法)とは?

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」いわゆるDV防止法が制定されたのは2001年4月で10月より施行されました。

令和4年度女性に対する暴力をなくす運動

 

※ハラスメント防止対策について知っていただきたいことは、アンコンシャスバイアスといって無意識の思い込みや決めつけによる偏見が『そんなつもりじゃなかった』というイジメ・嫌がらせ・ハラスメントにつながります。よかったら私の動画配信「かかわり愛チャンネル」でご覧ください。チャンネル登録していただけますと励みになります。