親子関係カウンセリング


各年代別の親子関係の悩み、問題にお応えします。

親子関係カウンセリングとは母親と娘、母親と息子、父親と娘、父親と息子、あるいは両親と娘、両親と息子、それぞれのケースでカウンセラーが介入して、こじれた問題をいっしょに解き明かしていきます。
親は親の課題、子どもは子どもの課題というように「課題の分離」からはじめます。

課題の分離とは、アルフレッド・アドラーの心理学説の一つです。
課題とは自分の目の前にある自分のやることができていない、問題が起きていて解決する必要があるモノですね。ところが、親になるとわかるのですが、子どもの課題を自分の課題のように捉えてしまい、自分(親)がなんとかしなければいけないと躍起になってしまうことがあります。

この状態は課題の分離ができていない状態で、どうすることもできないことへの執着、ジレンマ、イライラ、それによる脳の疲労。これがストレスとなるのです。
(※合わせてストレスケアカウンセリングもご覧ください)

たとえば、子どもが学校で出た宿題をいつまでたってもやらない。
この場合、子どもが宿題をやるというのは「子どもの課題」です。
しかし、母親はイライラする。母親が困ってしまう。

母親の課題はなんでしょう?
「私はイライラしている。私は困っている」これが母親の課題です。
こうして、目の前の自分が解決したいことが自分の課題となります。
母親の課題の解決はイライラの感情、困ったと感じている気持ちを解決することですね。

しかし、子どもが宿題をやらなかったり、勉強をしないのは、自分の課題に気づいていないからで、課題だと思っていないかもしれません。やりたくないからやらない。
そうだとしたら、いくら母親が怒っても、怒鳴っても、命令してもやらないでしょう。

逆にイライラして怒れば怒るほど、子どもは抵抗が生まれ、反抗したくなるものです。
仮に頭ごなしに怒って無理やりやらせたとしても、こころの中では反抗しているでしょう。

ですから、子どもが宿題や勉強を自分がやるものなんだと自覚するようになるには、周囲のおとなたちは、どんなサポートが良いのか工夫することを考えるのはいいことです。

母親は自分の感情(イライラ、怒り、がっかり)を冷静にコントロールできるようになることに、まず先に集中するといいですね。

母親だけではなく父親も子どもの勉強や進学のこととなると、自分のことのように躍起になることがあります。その気持ちもよくわかります。私も子育て中はそうでした。

しかし、子どもの人生は子どものものなので、子どもが自分で考えて決断できるように育ての中で、主体性や自主性を伸ばしていく。それが望ましいのです。

それには、幼児の頃から、できることは本人にさせる。遊び道具を選ぶ時も本人に選ばせたり、一つひとつの行動に対して子どもの意思を尊重してあげて、自分で決める習慣をつけてあげると、その子どもの主体性、自主性、自律性が伸びてきますね。
(※合わせて乳幼児心理カウンセリングもご覧ください)

失敗も自分で引き受けられる子になり、「だってお母さんがやれって言ったから~」とか、人のせいにすること(責任転嫁)がなくなります。

ところが、幼児のうちは、親がなんでも手を出して代わりにやってあげてしまい、学童になってもいつまでも子ども扱いをしてしまうと、自主性や自律性が育ちにくく、大学進学の頃になってもどこへ行ったらいいか決められない、自分は何がしたいのかわからない、就職はもっとわからない、仕事なんかしたくない。
と、自分がつかめない、わからないだらけの人間になってしまう傾向があります。

そうなってから親が「どうしてそうなの!」「なんでわからないの!」と怒っても、子どもにしてみれば、「だって、いつもお母さんがなんでも決めて、やってくれたじゃない」「だから、ぼくは何にも考えなくていいと思ってしまったんだ」となるわけです。

もちろん、すべてがそうなるわけではありませんが、親の過干渉、過保護から子どもの本来持っている主体性、自主性、自律性、勤勉性などを伸ばしてあげられない傾向は見られます。

また過干渉、過保護とは反対にネグレクト(育児放棄)や無視、放任といった養育態度も子どもの正常な発達を妨げる要因になっていることがあります。

いちばん望ましいのは、子どもを赤ちゃんのときから、ちゃんと一人の人間として尊重し、いつも気持ちに寄り添って、感情の動きに気づいてあげることです。
生まれ持つ気質も早い段階で知ることがだいじです。
ただ親も、それを教わっていないので、わかりません。知りません。
日本では学校でも家でも教えてもらっていないのです。
知っていることは自分が親からやられたことだけです。だから連鎖してしまうのです。

また、この子は、意識が内向き(自分に関心がある)か、外向き(他者に関心がある)なのか、この子は、臆病(慎重)なのか、大胆(行動派)なのか、なににどんな反応を示すのか、よく観察することが必要です。

気質は遺伝的なものですから親子でもちがいます。ちがいがわかったら、どんな対応がその子に合っているのか専門家に尋ねるといいですね。
気質を知って、それを踏まえた対応なら、不安を抑制できたりします。
知らないと、もともと不安が強い子どもの不安をさらに強めてしまうことがあります。
(※合わせて子育てカウンセリングもご覧ください)

性格や人格というのは、先天的な気質(遺伝的)の部分と後天的な環境からの影響で形成される部分とでできています。生年月日や血液型ではないんです!

ですから、親子でもきょうだいでも一人ひとり異なるのです。
親子でも、お互いに相手の気持ちがわからない、考えていることがわからないのは当然なのです。わからないことが「いけないこと」ではないのです。関心をもたないことがよくないことなのです。関心は持ち過ぎてもよくないし、もたなくてもよくないのです。

そこで、対話の関係づくりが大切になってくるのです。

相手(子ども)に関心をもって、気持ちを聴く。言おうとしているときは開示したいときです。こころを開きたいときです。そのチャンスを逃さないように受け止めてください。
そして、親の勝手な思い込みや決めつけで、子どもを判断しないでほしいのです。

たとえば、ウソをついたとしたら、ウソをつかなければならないわけ、理由が必ずあるはずです。親が怖いとか、言っても怒鳴られるだけとか、許してもらえないとか、強迫(無理強い)的なしつけを受け続けていると、子どもはいつも追い詰められているようで気が休まらないのです。ストレス状態にあります。

思いがけないミス、失敗も気持ちに余裕がないと起こしやすくなります。
そんな失敗をいきなり怒られたりしたら、誰も言いたくなくなり、隠したくなります。
それがウソの始まりになってしまうケースも多いのです。
(※合わせて児童心理カウンセリングもご覧ください)

親子はいちばん近い存在で近い関係だからこそ、課題の分離ができずに悩みが大きくなってしまうものなのです。
親子カウンセリング、家族カウンセリングは、こじれて解けなくなったように見える問題でも、カウンセラーの介入で、冷静に客観的に分析できるようになるのです。

親子カウンセリングといってもさまざまです。
乳幼児とママの母子関係、育児の悩み、妻の役割に母の役割が増えて、肉体的にも精神的にも負担が大きくなり、どうしていいかわからないというケースもあります。
(※合わせて夫婦カウンセリングもご覧ください)

学童になれば、子どもの勉強のこと、友達のこと、成長のことなどで悩みがあります。
どうしても親が他の子どもと比較して、勝手な評価を下し、子どものこころを無意識に知らないうちに傷つけてしまう時期でもあります。注意が必要です。

中学生で多いのは、いじめによる不登校、ひきこもり、あるいは、学校での反抗、校内暴力、家での反抗、家庭内暴力などがあります。
学童期までに家の中でこころが傷ついていると、そこで被害者になっていますので、学校では自分より弱い相手を見つけると、今度はいじめっ子になり加害者になってしまうケースがよくみられます。
あるいは、いじめのターゲットにされる子どもは、やはり家でこころが傷ついていて、自分に自信が持てずに、つねに怯えている、人が怖い、また傷つけられるのが怖い、そう思っていて、人に近づけない、輪に入れない、友達もできない、それでいじめやすい存在になっている傾向があります。

多感な時期です。こころが大きく成長するときでもありますから、この時期は親子の距離感がだいじになります。こころに土足で踏み込むようなことはしないでください。

ただ、親自身も何が土足で踏み込むことなのか?そうじゃないのか?わからないというケースもよくあります。
非常に感受性の繊細な子どもと、そうでない(鈍感な)親の組み合わせがこのケースです。

小学校高学年から中学生くらいになると第二反抗期も出現し、大人や社会に対する反抗・攻撃・嫌悪などが見られます。
男の子と母親の関係が希薄になったり、性的に成熟した少女の態度の変容が見られたりします。

この青年前期は、子どもから大人に変わる第一歩で肉体も精神も急激な変化が起こります。
親もとまどいを隠せないままどうしてよいかわからず放任してしまったり、やたら厳しくし過ぎたりと、極端な接し方になって問題を大きくしてしまうこともこの時期の悩みになっています。
(※合わせて青年心理カウンセリングもご覧ください)

高校や大学の頃は、将来の自分が描けない、夢や希望が持てない、自暴自棄になり、生きている意味さえわからない、という悩みで、親が困ってしまうケースが多いです。
(※合わせて自分向き合いカウンセリングもご覧ください)

また50代母親と20代娘の問題、共依存、離れたいのに子離れ親離れできない関係。

60代70代母親と40代息子の問題、子どものギャンブル依存、借金、無職、怠慢など、さまざまな親子関係のケースがあります。

子どもが大きく成長するにつれて親子間、家族間の問題も、かたちを変えて存在します。

また、女の子の場合

親からみると、いつまでも子どもは子どもですから、男女の交友関係も気になります。
「誰かとつきあっているの?好きな人いるの?彼氏いるなら連れて来なさいよ」などと言ってしまいがちです。
子どもが「デートDV」されていないかは気に留めてあげるといいですね。
(※合わせて恋愛カウンセリングも参考にご覧ください)
勉強や進路にも口を出したくなります。よい人生を歩んでほしいだけなんですが・・・

ところが、思春期になると母親を「女同士」として対等に見はじめます。
それは、尊敬することよりも批判的なまなざしで母親を観察することが多くなり、母の行動にも、自分の考え、自己主張を訴えてきます。
母親が娘に「帰りが遅いこと」を注意すると、娘も『お母さんだって好き勝手してるじゃない!なんで私は遅くちゃいけないのよ!』と、怒りをぶつけてくるわけです。
しかし、このとき母親は怒ってしまってはいけません。
成長の証しだと喜び、主張をいったんは受け止め、こころを向き合わせ、対話を重ねることがベストです。

この子どもから大人に変わるまでの思春期は本当に親子関係も難しい時期だといっていいでしょう。親は自分のその頃を忘れてしまっていることがあります。
(※合わせて青年心理カウンセリングもご覧ください)

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イラスト あさみめぐみ