高齢の親の年金目当ての延命治療? 8050問題から9060問題へ
悲惨な事件が続きました。1月27日埼玉県ふじみ野市で起きた「訪問診療医射殺事件」
調査によると、事件の背景には8050問題が隠されていたのではないか?ということがわかりました。
2019年の内閣府の調査では、40~64歳の引きこもり(おそらく無職であろう)が全国で61万人存在し、その7割が男性で、一因として就職氷河期の影響であることが報告されています。ここ2年間は新型コロナウイルスの影響もあります。
社会的な影響としては、それ以降も日本経済は景気回復せず、それでいて社会福祉が充実したかというと、そうでもなく「勝ち組負け組」などと言われ経済的貧富の格差は大きくなるばかりです。国は責任を感じてほしいですね。
2010年代の8050問題が10年経てば9060問題になるわけです。80歳の親が90歳になり、50歳の子が60歳になる。一般的には40代で就職に躓くと50代60代はもっと厳しくなります。独立自営できればいいのですが、それも経営困難になることもあります。そうしたケースでは、親の年金を当てにして生活を維持していくケースが多くみられます。
そうなると、親が亡くなってしまうと困るわけです。このケースでは生活費を失うことになりますから。老齢年金とは生きている間は給付されますが、死亡と同時に受ける権利がなくなりますから日本年金機構へ届けを出す必要があります。(届けを出さずに給付を受け続けると後で返金するようになります)
昨今の、50代60代の男性による悲惨な事件は、人生を生きぬくための「仕事と生活」という大きな課題が社会問題となっていることが主な原因と言えるでしょう。
誰の子でもどこに生まれても、どこで育っても、生まれ持つ気質がちがっても、性格がちがっても、才能や能力のあるなしにかかわらず、誰もが個々の良さを発揮できて社会に貢献できる「居場所」を国(政府)がつくる責任があります。
誰でも自分の存在価値を認められて、社会を構成する一員として、社会の中で活躍できることを望んでいます。
自分が安心して暮らせて、自分の気持ちを満たすことができれば、犯罪は起こらないと言っても過言でないほどです。それくらい、経済や暮らしの安心、安定、安全、そして人として尊重され承認欲求が満たされることがだいじなのです。
根本的な解決はそこにあります。
政府に気づいてほしいですね。ただし、今回のような猟奇的な行為は要因がひとつではなくもっと以前からの精神疾患があったのかもしれません。
参考 寝たきりの親にパラサイト