リラックスとイメージ療法


医学や歯学、心理学の臨床的側面での活用

リラックスとは、どんな状態か?
それは自律神経系の副交感神経が優位になっている状態をいいます。

反対に不安や怒りで興奮状態にあるときは、緊張を誘発する交感神経が優位になります。
人は日常このバランスを保ちながら生きています。

ところが不安、恐れ、イライラ、クヨクヨ、モヤモヤ、不満、怒り、憎しみ、悲しみ、寂しさ、孤独、孤立などの感情が長く続くようだと緊張をうながす交感神経がずっと活発に作動している状態でエネルギーは枯渇し大変疲労してしまうのです。

イメージ療法を使って、脳がリラックスすると下記の効果があります。
●不安や恐怖の除去 ●痛みのコントロール
●ストレスの解消  ●リラクゼーション
●自己制御        ●免疫力の強化
● リハビリテーション

応用的側面での活用

●創造性の開発   ●学習への動機づけ   ●健康の維持・促進   ●病気の予防

このように、イメージ療法で扱う領域は多岐にわたり、広い範囲に及んでいますが、その究極の目標は、人間行動のメカニズムの解明、病気の予防と治療、健康の促進、潜在的な能力の開発などにあります。

当ルームでは上記に挙げた目的のうち主に、潜在的能力、創造性能力の開発、人間性の向上、目的達成のためのモチベーション向上・維持、心身健康の維持・促進・予防に力を注いでいます。

イメージ療法を“もっと楽しく、もっと身近に”

自律訓練法

心理療法のひとつに自律訓練法というのがあります。
1932年ドイツの精神科医であるシュルツによって体系化されたものです。

これは、さまざまな悩み、問題、ストレスによってガチガチに縛られ、バランスを崩してしまった自律神経をゆっくりやわらかくほぐしてくれる作用があり、心身のリラックス状態を意識的に起こし、自律神経の調整を図るものです。

この自律訓練法とイメージ療法とは同じ基本概念の上に成り立っているものです。

イメージ療法は心身がリラックスしているとうまくいきます。
このリラックスした状態というのは普段の日常生活のなかでも自然に起きている状態です。

たとえば、お風呂につかってのんびりしているとき、映画の物語のなかに入り込んでいるとき、のんびり音楽を聞いているときなど、実は人間は知らずにリラックスしているのです!

脳のしくみ

わずか1.2kg~1.4㎏の脳の中の大脳には約140憶個の神経細胞があります。
そして私たちの持つ動物的欲求から高貴な理想までがそこに存在し、記憶、イメージ、言語、健康、すべてを制御して、意識、知覚、思考など
創造性だけでなく、肉体の随意不随意機能までも司っています。

外界からの刺激は私たちの視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚などの感覚器官を通して、思考や感情という形で受信され、すべての思考と感情は大脳皮質に伝達されて保管、分析されています。

近年、脳科学、精神科学の分野の研究が進み、脳のしくみ、システムがよくわかるようになりました。
外界からの刺激(他人のことば、態度、失敗などの出来事など)をどのように感じるかは感覚機能がはじめにキャッチします。
この感覚の感受性が敏感なのか、 鈍感なのか、程度は人それぞれかなり幅があります。
つまり、感じ方のちがいは大きいのです。

ところが、人は自分の感覚しかわかりません。親子でも感覚がちがうことを受け入れられないことがあります。
「なんで、そんなこと気にするの?」
気にするか、気にしないかは個人差があります。感覚のちがいだからです。

しかし、自分のモノサシで相手を計っても、ちがいが大きいと理解できませんから、「なんでそう思うの?」となるわけです。

自分がやや敏感か、過剰に敏感なのか、あるいはやや鈍感か、すごく鈍感か、それは、育っていく間に他者とのかかわりの中で、自分がどの程度どうなのか、自己分析していくといいですね。まわりの人の感覚、感じ方をよく観察するといいでしょう。

とくに日本人の8割~9割は「臆病・慎重」な遺伝子をもっていると言われています。
言い換えれば、不安に弱い遺伝子です。セロトニントランスポーター遺伝子の型でわかるそうです。

脳の視床下部にある「扁桃体」という部位で不安を感じます。
たとえば、まだ起きていない出来事への不安「もし〇〇になったらどうしよう・・・」
予期不安を強く感じる人、感じない人、感じてもすぐ切り替えることができる人、他人から無視をされた、そのとき、「あの人、怖い」と思うか「なによ!ふん」と怒りを感じるか、どちらも扁桃体が反応しています。怯えても怒ってもその心理は「恐れ」から起きている人間の防衛本能(防衛機制)からなのです。根底には共通した「恐れに弱い」気質(遺伝子)が影響していることがわかりました。

そして、大脳皮質は受信した思考や感情を神経組織内にあるニューロンという神経伝達物質によって体の各部分にメッセージとして伝達され、身体的な行動へと転換されていきます。
つまり、感覚的な反応が感情となり思考がめぐり、行動になるので、人の人生を左右するということをご理解いただけたでしょうか。

まさに、『人生は選択と決断で出した行動の結果である』と言われています。
『行動は思考の結果』ですね。
何を思うか、それをどのように受け止めるか、とらえるか、どう考えるかで行動は変わります。

それは、『思考は現実になる』ということなのです。

だったら、前向きなよい思考(考え方)をもちましょう!

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