2~3歳頃のイヤイヤ期の接し方は人生を通して重要!


生まれてはじめての自己主張

自分自身の「イヤイヤ期」は覚えていなくても、子育て中の我が子の「イヤイヤ期」に手をやいている人は多いのではないでしょうか?

イヤイヤ期とは、人の発達の段階で2~3歳ごろに始まる主体(自分の意思)の表れで、「はじめての自己主張」の時期です。第一次反抗期のことをいいます。

なんでも「イヤイヤ」をします。それまで「うん」とうなずいて親の言うことをきいていた子も、イヤイヤ期に突入すると、「歯磨きイヤ」「お着替えイヤ」「靴をはくのイヤ」「歩くのイヤ」イヤイヤイヤ・・・母親(養育者)はどうしていいか困ってしまいます。

子どもの意思表現には、強い弱いの個人差はありますが、どの子どもにも、誰にでも見られます。イヤイヤ期は正常な発達段階なのです。自分の気持ち(感情)の種類がどんどん増えている証拠です。5歳までに17種類の感情を覚えると言われています。

だいじな成長の発達段階ですから、なにも困ることはないのですが、母親たちが困ってしまうのは、なぜでしょう?

それは、親の言う通り、思い通りにしてほしいという「親の欲求」がそこにあるからですね。忙しいママにとっては、家事育児プラス仕事もあれば指示通り動いてくれると助かりますよね。

気持ちはわかりますが、それは親の都合。社会的な都合ですね。親が仕事に行かなければならない時に、時間がない時に、あるいは「こうした方がいいのに・・・」と思う時に、親は親の言うことを子どもが素直に聞いてくれたらどんなに助かるか~と思いますよね。

しかし、育児はそうはいかない!! いかないほうがいい。

 

ポイント!

真のイイ子=おとなになって自立できる子=将来助かる子、とは、親の都合に合わせるいい子ではなく、自分の気持ちや考えをつかんで言える(表現できる)子なのですね~

イヤイヤを表現できるようになったら、ほめてあげましょう。『〇〇ちゃん、そうなんだ。イヤなんだね。自分の気持ちを表せたのね!すごい!』と、受け止めてから認めてあげましょう。

そのあとに、『ママの気持ちも聞いてね。』と一応言ってみましょう。

『うん』と頷いてくれたら、そこで『ママは、〇〇ちゃんに〇〇してほしいんだ~ やってくれるかな?』と言ってみましょう。『いや~』と言われたらまた受け止めて繰り返すだけ。

※ここでNGは、いきなり『なんで言うこと聞けないの!!』と、親が感情的になり怒ることですね。

なんで?って言われても子どもとしては、イヤなものはイヤだからですよ~ なんで?どうして?は逆効果。責めているように聞こえてしまうからです。覚えておいてくださいね。

責められていると感じると、恐怖を感じます。恐怖は警戒心を強くして、人に対する猜疑心を掻き立てます。

警戒心や猜疑心の強い子にしたくありませんよね。

 

イヤと言わない子

おとなの言うことをよく聞く子、イヤイヤ期にイヤと言わないことも、それはそれで心配ですよね?

忙しいママは、言うことを聞いてくれるので、親にとっては都合よく、そのまま時間が過ぎていくことがあります。しかし、もしかしたら・・・?

子どもが自分のこころの声が聴こえない、聴こえても声(音)に出せないのかもしれません。

自分の気持ちや考えをそのまま自己主張として伝えられなくなっているケースもありますよ。

どんな気質の子?

怖さに敏感な子、不安を抱きやすい子(不安遺伝子についてはこちら)は、特に思っていても言えないことがあります。

気持ちは声に出して、イヤなら『イヤ』と言っていいのですが、無意識に言わないことを選択するケースもあります。なぜなら、漠然とした怖さを脳で感じてしまう・・・というケースもあります。

漠然とした怖さは、親の大きな声、早口、怖い顔、などを脳がキャッチしたときに感じます。それにより、子どもは声が出せなくなる。声を出さないことが自分を守る防衛手段だと無意識に感じ取っているからのなのです。そのあたりから自分の気持ちを表現できない子どもになってしまうこともあります。(絶対にそうなるわけではありませんが)

もし、そのようなケースだったら、親は早い段階で気づいてあげることがだいじなことですね。

見過ごさないこと!がだいじ

『言うことを聞いてくれるからラクだわ~』と、見過ごしてしまわずに、『ムム?ちょっとまって!本当は感じていることあるはず!言いたいことあるはず!』と思ってみましょう。

ここに気づいてほしいですね!

親がラク~というのは、今だけのことに意識が向いています。それでいいの?ちょっと考えてみましょう。

育児の目的

育児の目的とは、子どもの自立です。重大なプロジェクトなのです!子どもはやがておとなになります。自立とは、おとなになったとき(なる前から)自分の頭で考え、自分で選択して、自分で決定して、自分で実行できる人になることですね。さらに、実行したことの結果が良くても悪くても(成功でも失敗でも)結果を前向きに受け止めること、そこから学ぶことができる、それが自立だと私は思います。

なぜ?と思う人のために・・・それは自分の軸ができていないと、受け身の人生になってしまう傾向があるからなのです。(あくまで傾向ですが)受け身は、自分が納得していないことが多く、納得していないとうまくいかなかったときに「人のせいにする」傾向があるからなのです。読んでいて思い当たることありますか?

それで自立は結果が悪くても自分で引き受けができることなので、人のせいにしないことから人間関係もうまくいくのです!!

学校の勉強ができても、有名企業に就職できても、上記の「自立」ができていないと、どこかで躓くことがあります。躓いてからでも自分と向き合えれば遅くはありませんが、できれば子どものうちから親のサポートで自立のための「考え方」を伝えてあげるといいですね。

それには、親自身がそれを理解して自分の人生の中で実行していることがもっとも良いお手本になりますね。

昔から「子は親の背中を見て育つ」という言葉があるように、親の生きる姿勢というのは大切なものですね。

まとめます

なぜ、「2~3歳頃のイヤイヤ期の接し方は人生を通して重要!」かと言うと、将来の他者との人間関係をうまく築けるかどうか?にかかってくるからです!

1.(前提)人間は社会の中で協力し合って生きていきます。

2.社会の中で気持ちよく生きていくためには、人と人との人間関係の構築が重要です。

3.すべての悩みは対人関係からと言われています。

4.対人関係をよくするためには、良くも悪くも他者のせいにしない習慣づけが必要です。

5.他者のせいにしない人になるためには、自己責任(引き受け)のできる人になる。

6.自己責任(引き受け)がとれるとは、子どもの頃から失敗してもいいから自分で考えてやってみる習慣をつけること。

7.失敗は成功のもと。自分が決めて実行したなら誰のせいでもない。かといって、自分のせいにもしない(落ち込まない)で、失敗から「次はどうしたらいいか」を学び、またチャレンジできる人になる。人生が楽しくなる!これが自立。

8.はじまりはイヤイヤ期を上手に乗り越えること。イヤイヤする気持ちをしっかり受け止めてあげる。受容です。できないことより、できているところを認めて褒めてあげなから、「親のためにやるのではない、自分のためにやるんだ」と、子どもが思えるように接すること。子どもが自主的、主体的に行動できるように、親はサポートしていきます。

 

※注意 自己責任というと、日本では「責任をとる」という重苦しいイメージがありますが、ここで言う自己責任は、良くも悪くも結果を引き受けることができる人になる、という意味です。

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※参考 きくちみよこ著書「イキイキ人生をつくる しあわせ思考