5月の家族へメッセージ ~学校へ行きたくない or 会社を休みたいと言われたら~


5月の家族へメッセージ 
~学校へ行きたくないor会社を休みたいと言われたら~


ドキっとする瞬間

入学や就職から一か月。みなさんのご家庭ではいかがですか?
そろそろ場の雰囲気もわかってきて、未知への不安から少しずつ安心を感じる頃ですが、自分を取り巻く環境(人も含む)に自分が適応しやすいのかどうか、見極めたくなる時期でもあります。

そんなときに家族からの『行きたくない』のひと言にドキッとすることはありませんか?

それは子どもかもしれません。転職したかもしれません。成人して就職した子どもかもしれません。
そんなとき家族はどんな言葉でどんなふうに声掛けしてあげることが良いのでしょうか。

 

1.受け止める

『そっかぁ~ 今はそういう気分なのね。おとなも子どももそういう気持ちになることあるよね。』

焦ったりパニックにならないことです。焦りやパニックを起こすケースは聞いた瞬間に脳の中で勝手な連想が繰り広げられるからです。マイナス思考化の連想ゲームが始まります。
それが始まると連想(妄想)はエスカレートして、まるで既に起きたかのように(錯覚)感じられ心拍数が上がりパニックになるのです。
パニックを起こしやすい人・起こしにくい人のちがいは、気質があります。脳で反応するときの反応のちがいです。

パニックにならずに冷静に落ち着いて、一旦、こころの中で『これは子ども自身の課題なんだ、私の課題ではない』と認識してください。これを課題の分離といいます。親は自分の課題ではないことを認識できると冷静になれます。決して無責任とはちがいます。思い違いをして「あれこれ心配しないのは思いやりが足りないのではないか?無責任ではないか?親として怠けているのではないか?」と心配することを親なら当たり前だと勘違いしているケースがあります。もちろん心配はしても、親が不安にならないことです!

しかし、やさしさ、思いやりとは、こういう時ほどドンと構えて翼を広げて大きな愛で受け止めてあげることなのです。

子ども自身の課題ですから子どもが自分自身に向き合い解決していくことなのですが、そうは言ってもサポート役が必要です。家族は良きサポート役にまわってください。良きサポート役というのは「聴き上手」「問いかけ上手」です。

※もしあなたがパニックを起こしやすいタイプであるなら、ふだんから①深呼吸②受け止める③深呼吸④すぐに答えを出そうとしないでその場は『わかった。あとでゆっくり話そう』と言ってほかの人に相談してみる。

 

2.話をよく聴く

『お母さんもそういう気持ちになったことあるよ。あなたはどんな気持ちで行きたくなくなったのか教えてもらえるかな? 教えてもらえたらうれしいな~』

1対1で話を聴ける態勢になったらゆっくり時間をかけて聴いてあげましょう。そのときも「聴かせていただく、聴かせてほしい」という姿勢がだいじです。「聴いてやってんだ!」とか「忙しいんだから早く言えよ!」みたいな態度には決してならないようにお願いします。

それと、相手(子ども、夫)が黙ってしまっても言葉が出てくるまでじっと待つことです。よくあるケースは待てずに『こういうことなの?どうなの?なんとか言って』と回答をせかしてしまうことです。NGです。

急がば回れです。焦っても仕方ありません。あくまでサポート役はサポート役であり、課題の解決は本人にあるのですからサポート役は見守る姿勢で、本人がリラックスした気持ちになってポツリポツリと言葉が出るのを待ちます。まずは安心してもらえることです。安心していないと人は話す気になれません。安心していない状態とは、本人が「話しても否定されるんじゃないか、怒られるんじゃないか、不安にさせてしまうんじゃないか」など考えている状態です。

サポート役にはスキルも必要になります。そういう意味でサポート役になった方がスキルをご相談に来られるケースもあります。

聴き上手になるコツは、相槌を打ちながら否定せずにひたすら聴く。話をかぶせない。せっかく言い出したのに言葉をかぶせてしまうケースがあります。その瞬間から無言になってしまうこともあります。じゅうぶん吐き出してもらうところからです。

本人の口から『どうしよう・・・』が出たら、サポート役は『どうしたらいいか困っているのね。わかったわ。いっしょに考えよう』と寄り添います。そこで『提案なんだけど、専門家にも助けてもらおうと私は思うんだけどどうかしら?』と問いかけてみましょう。本人の意思がだいじ。意思を尊重しながら納得するまで時間をかけましょう。納得していないままでカウンセリングに連れていくのも問題です。そういう場合はまずご家族が相談にいらしてください。

 

3.予防するには、普段からどんなことに気をつけるの?

前述のように①受け止めたり②話を聴いたりするには普段から関係性が良好であることがだいじですね。もうお気づきですか?

いくら話してもらいたくても子どもが『お母さんには話したくない!』というケースがあります。それでも家族員の誰か(祖父母も含め)に話してくれればいいのですが、お母さんもお父さんもきょうだいにも話したくないというケースがあります。そうなると誰も気持ちを聞き出せないまま、理解することもできなくなります。

気をつけることは?

①焦らない。日常生活の中で親がちょっとしたことでも『うわっ大変だ!どうしよう!』と大騒ぎをしていると子どもは親を心配させてはいけないと気を遣い、言い出しにくくなりミスや失敗を隠すようになります。

②いきなり否定しない。親の気持ちとしては、一つの出来事からよくないことを想像して、それを予防せねばと焦っていきなり否定することが多々あります。これは逆効果。いきなり否定されたら『もう話してもどうせ聞いてもらえない』と思ってしまい口を閉ざします。

③責めない。『なんでそんなことしたんだ!』『だから言ったでしょ!』この言葉は逆効果です。親は責めているつもりではなくても相手には責めの言葉です。誰だって責められることを予感したら話さなくなります。言葉は習慣でつくられるので親もまたその上の親から言われて育っています。気づいたらよくない連鎖を止めましょう。

そうならないために今のうちに普段からやっておけることはなんでしょう?

不登校にかかわらず、ほかのことでも共通して知っておきたいこころ構えは?意識は?

①焦らない。②否定しない。③責めない。これを別の視点で捉えると・・・

💛泰然自若  物事に動じずゆったりとどっしり構えていましょう!しっかり受け止めて結論を急がず物事を組み立てて考えていきましょう。

💛相手の気持ちを、言葉を、認知する。認めること。イコールそれは相手を人として尊重していますよ~ということになります。『あなたはそう思うのね』と認めたあとに自分の考えを『私はこう思うのよ』と伝えます。

💛責める代わりに『では、次はどうしたら良いと思う?』ミスや失敗から次はこうしたらいいと学ぶ方法です。ミスや失敗は誰にでもあります。1分前でも過去は過去。過ぎたことを責めても仕方ありません。親は反省させようと責めるのでしょう。けれどそれは反省よりも責められたことが記憶に残ってしまいます。ですから、責めるのではなく『この行為はよくなかったよね。理解できたら次はどうする?』と問いかけましょう。本人から自分の未来をよくするための言葉が出たら成功です。家族が切り替え上手になることです。

 

●学校や会社に行きたくなくなる理由はさまざまです。いじめやハラスメントもあるでしょう。または自分自身が人を避けてしまう「気質・感受性・思考の癖」もあるでしょう。両方の場合もあるでしょう。家族はひとりで抱え込まないで専門家を頼りましょう。恥ではありません。

支援センターもあります⇩

不登校支援センター

関連記事

児童心理カウンセリング

青年心理カウンセリング

子育てカウンセリング

一家にひとり、ホームカウンセラーを